『最愛』高橋文哉、難役チャレンジに醍醐味「葛藤から解放された新たな優を届けたい」

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【TBS】金曜ドラマ『最愛』高橋文哉場面写真
金曜ドラマ『最愛』に出演する高橋文哉 (C)TBS

 吉高由里子主演で、『アンナチュラル』『MIU404』(共にTBS系)の新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督が再タッグを組むドラマ『最愛』(TBS系/毎週金曜22時)。主人公の真田梨央(吉高)が15年前と現在に起きた2つの殺人事件に翻弄される様をオリジナルで描き、SNS上ではストーリー考察が盛り上がっている。そんな中、第4話ラストでは事件の犯人が、高橋文哉演じる梨央の失踪していた弟・優だったことが判明。12日に放送された第5話でも衝撃の展開が描かれた。今回、高橋にインタビューし、物語のキーパーソンを演じる心境や本作の見どころ、最愛の姉役を演じる吉高の印象などを聞いた。

◆難役挑戦もプライベートはフラットに

 完全オリジナルとなる本作は、殺人事件の重要参考人となった実業家・梨央と、梨央の初恋の相手で事件の真相を追う刑事・宮崎大輝(松下洸平)、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)の3人を中心に描くラブサスペンス。

 4月クールに放送された『着飾る恋には理由があって』(TBS系)に続き、新井Pと塚原監督の作品に出演することになった高橋。オファーを聞いた時の心境を問うと、「全然違う役でまたご一緒できるのは、役者としての楽しみでもあり醍醐味。すごくうれしかったです」と爽やかな笑みを見せ、「塚原さんと新井さんが作り上げる『これぞTBSの金曜22時のドラマ』といった作風で、間違いなく盛り上がる作品になると思いました。出演させていただきますが、作品自体に対する期待値が高く、楽しみでした」と目を輝かせる。

 15年前の2006年、9歳の時、大好きな姉の梨央が渡辺康介(朝井大智)に襲われているところを助けようとして康介を刺してしまうが、幼少期の事故による興奮すると記憶の一部を失ってしまう記憶障害からそれを忘れていた優。2007年から梨央と共に東京で暮らしていたが、2012年に「僕は人を殺した」という手紙を残し、失踪。失踪後は生田誠と名乗り、後藤(及川光博)の指示で会社の情報や梨央の素行を探る「情報屋」として素性を隠して生きてきた。
 
 数奇な運命を歩む優という役について、高橋は「すごく人想いで、姉ちゃんが大好きで、大ちゃん(大輝)や加瀬さんなど、姉ちゃんの周りの人たちも大切にしていて。姉ちゃんのためになら自分はつらくても生きていけると思えるくらい、優の最愛は姉だと思います。あと、自分のやったことを素直に受け入れられる男の子」と表現。「そういう感情を自分の中でかみしめて、1つ1つの思いを大切にしながら演じています」と凛々しい表情で語る。

 難しい役どころになるが、役をプライベートで引きずることはないそうで、「僕はオンオフが全くないタイプ。どんな役をやっている時でもわりとフラットですね。基本的に家の中にいる時はご飯食べているか、テレビ見ているか、台本を読んでいるか。この作品では方言を話すこともあり、いただいた方言の音声を耳に入れながら台本を覚えています」と明かす。

◆“梨央”吉高由里子との対面シーンに感じた醍醐味

 4話のラストでは梨央の前に登場し、梨央が重要参考人として疑われる康介の父・昭(酒向芳)殺害に自分が関わっていると告白した優。高橋は同シーンを「優としても、役者・高橋文哉としてもすごくドキドキしました。物語の中で1本軸となるような大事なセリフを言う緊張感をはじめ、優の覚悟や罪悪感、9年ぶりに姉ちゃんと会えたうれしさなど、いろんな感情がこみ上がってくる瞬間でしたね」と打ち明ける。

 4話までは、生田誠という謎の人物として登場してきたが、「優だとばれないように気を付けながらも、姉ちゃんを守る際のハッキングで姉ちゃんを見る時に表情が緩む瞬間を入れるなど、ちょっとした優の様相を入れていました」と演じる上で気を付けていたことを告白。そういった塩梅を含め、優を演じるにあたり塚原監督とは密に話をしたそうで、「姉ちゃんと再会し告白するシーンは、優がどんな気持ちでここまで歩んできて、どんな気持ちでこの場で姉ちゃんと話すのか、優の気持ちをすごく練りました。優はいろんな感情が混在している役。その中で何を大切にすべきかは、塚原監督と毎カット考えながら演じました」と説明。

 また、「新井さんと塚原監督からシーン終わりに『よかったよ』と言ってもらえると、次のシーンももっと頑張ろうと思えて。優として大切に丁寧に全力で演じているのですごく救われています」と笑顔を見せる。

◆葛藤から解放された“新たな優”を届けたい

 共演者は先輩役者ばかりということもあり「現場はすごく緊張します」とこぼしつつも、「和気あいあいとした現場」とほほ笑む高橋。姉役の吉高について聞くと「姉ちゃんと再会してから、吉高さんとご一緒する機会が増えて。吉高さんが梨央であり続けてくださるので、優の感情を素直に出せました。カメラが回っていない時はすごく楽しい雰囲気を作ってくださり、そのおかげで変に緊張せずに現場にいれます」と感謝する。

 物語のキーパーソンとなる優を演じることは役者としてもいい影響をもらっているそうで、「すごく勉強になりますし、家に帰った時に『はぁ~、楽しかった』となる現場です」と充実した表情。また周囲の反響も大きいと口にし、「高校の友達や家族をはじめ、みんなが『すごく面白い』と言ってくれていて。優だと判明する前は、みんなに『優でしょ?』と言われていて、『ぜひ見てね』と返していました」といたずらな表情で笑う。

 視聴者がストーリーの考察を楽しめるのが、オリジナルサスペンスドラマの醍醐味。高橋自身も「こういう作品は最後や途中でどんでん返しがあるものが多く、それがすごく好きで。今まで信じてきたものが一瞬で裏切られる面白さを感じられるのは、長い期間楽しめる連ドラならでは。この作品で自分がそのきっかけになればいいなと思います」とニヤリ。

 「5話は折り返し地点で、ここからどのように物語が進んで、どういう人物たちが絡みあっていくのかが見どころだったと思います。僕はまだ7話までしか台本を読めていなくて、優の犯した罪がそこからどんな方向に、転がっていくかは知らなくて。5話のラストで優は捕まってしまいましたが、今まで姉ちゃんを守らないといけないという気持ちや自分のやったことへの罪悪感など、優の葛藤が一旦解放されて、6、7話から優の人間性が見えてくるので、新たな優を届けたいですね。優がどのように生きていくのか、後半もっとスピードアップしていく物語の先を楽しみにしてもらえたら幸いです」とアピールした高橋。

 これからも怒涛の展開が続くであろう本作で、高橋が優をどう体現していくのか見届けたい。(取材・文:高山美穂)
 
 金曜ドラマ『最愛』は、TBS系にて毎週金曜22時放送。

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