漫画を愛する橋本環奈 実写化は“どれだけ原作を愛して挑むか”が課題

映画
橋本環奈 『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』 202108
橋本環奈  クランクイン! 写真:松林満美

 漫画原作の実写化において厚い信頼感を得ている俳優といえば、橋本環奈を思い出す人も多いはず。2019年に公開されて大ヒットした『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の続編となる『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』でヒロイン・四宮かぐや役を再び演じた橋本だが、自身も「1日に10冊くらい漫画を買っている」というほど漫画好きなこともあり、原作ファンの視点を忘れずに役作りに臨んでいるという。橋本が漫画原作の実写化に注ぐ情熱とともに、「弱点や悩みごとは口にしないようにしています」という“強さの秘密”を語った。

■“みんながついていく”平野紫耀の頼もしさと笑いのセンスに感服!

 本作は、累計発行部数1650万部を超える人気漫画の実写映画化第2弾。生徒会会長の白銀御行(平野紫耀)と副会長の四宮かぐや(橋本)が、お互いに惹(ひ)かれ合いながらも「自分から告白したほうが負けである!」と思い込み、いかにして相手に告白させるか恋愛頭脳戦を繰り広げる。

 2年ぶりに『かぐや様は告らせたい』の世界に飛び込んだ橋本。撮影が始まる前は、「感覚として鈍っていないかな」と不安もあったというが、「前作を見返して真似をするのも違うなと思ったので、前作と同じように、原作を読んで“かぐやってこういう人物だよな”と研究していきました」と役作りを述懐。すると「2年という年月を感じることなく、かぐやに戻ることができた。今までやってきた役って、やっぱり自分の中に蓄積されていくもので、なくなっていくものではないんだなと思いました」と俳優業の醍醐味(だいごみ)も味わった様子だ。

 すんなりとかぐやに戻ることができたのは、生徒会のメンバーのおかげでもあると続ける。「初日を迎えて生徒会のメンバーに囲まれたときに、居心地がすごくよくて。その空気感や距離感のおかげでより、かぐやの感覚がつかむことができた」と感謝しきり。

 King & Princeの平野紫耀演じる白銀とかぐやの息の合った掛け合いは、本作の要となるもの。平野と再共演を果たし、橋本は彼のすごみを改めて実感したという。

 「前作よりも一層、“みんなが平野さんについていく”という雰囲気がありました」と頼もしさを感じたそうで、「映画の撮影が終わったあとにも、別のお仕事へ移動したりと、平野さんがお忙しくしているのをみんなも間近で見ていました。それでいて、人一倍頑張っている姿も見ていました。だからこそ、みんなも“頑張ろう”と気合が入るところもあったと思います」と回想。一方で平野の天然な言動も現場を大いに盛り上げたそうで、「“お祭りにはお祭り騒ぎが必要だと思わないか?”という白銀のセリフがあったんですが、“お祭りにはお祭りワッショイが必要だと思わないか?”と言い間違えていました(笑)。ご本人は言い間違えたことに気がついていなくて、私と佐野(勇斗)くんでニヤニヤしてしまって」と大笑い。「バラエティ番組に出ても、一言で笑いを取れるのが平野さん。天才的なワードセンスがありますよね」と称えていた。

■漫画愛、爆発!
 
 白銀へのいじらしい恋心や、抱いていた孤独や葛藤など、かぐやの内面までを表現し、映画に豊かな息吹を与えた橋本。「まさか続編ができるとは思っていなかった」と喜びながら、「どうしてかぐやが今のような性格になったのか、生徒会のメンバーと過ごす一つ一つの瞬間に喜びを感じたり、メンバーをとても大切にしている面など、前作以上に深く、かぐやのことを掘り下げられたような気がしています」と胸を張る。

 本シリーズだけでなく、『キングダム』の河了貂や『銀魂』の神楽など、漫画原作の実写化作品で、橋本はいつも原作ファンも喜ばせる完成度で役柄を演じてきた。「1日に10冊くらい漫画を買っている」と漫画愛を爆発させる彼女だけに、「漫画原作の実写化の場合、“どれだけ原作を愛して挑むか”ということが、いつも課題になると思っています」と並々ならぬ情熱をあふれさせ、「原作をただトレースすればいいというわけではないと思っています。実写化したときに、生身の人間として動く“ナチュラルさ”を追求していきたい」とキッパリ。

 さらに「“漫画原作が実写化される”と聞くと、自分がファンの漫画だと“なんで実写化するんだ!”と思うこともあります」と素直な胸の内を打ち明け、「原作ファンの思いからすると、実写化するならば、原作が好きな人にやってほしいなと感じます。そういった意味だと、私はもともと『かぐや様は告らせたい』の原作の大ファンだったので、映画化のオファーをいただいたときに“かぐや役ならば演じることができる”と思ったんです。自分が心の底から面白いと思っている原作ならば、原作の良さを客観的に捕まえることができる。もちろん現場ではものづくりの当事者に変わっていくわけですが、漫画原作の実写化の場合、そのどちらの目線も必要なのかなと思っています」と力強く語る。

 「ひと月にするとどれくらい漫画を買っているのかわからない。相当、読んでいます」とかなりの漫画好きである橋本。「少年漫画、青年漫画、少女漫画など、ノンジャンルで読みます。どういう系統の漫画が好きか聞いて、それだったら“これ絶対、好きだと思うよ”と人にすすめるのが好きなんです。ヤングジャンプ系が好きならば『かぐや様は告らせたい』はもちろん、『ブラックナイトパレード』もオススメですよ!」と“漫画ソムリエ”としての一面を発揮していた。

■天才肌の橋本環奈 気持ちが沈んだときの対処法は?

 かぐやは文武両道のヒロインだが、橋本も芝居、歌、ダンス、バラエティとどんな分野でも才能を発揮する“天才肌”だ。そんな彼女にとって、自分の弱点だと感じていることはあるのだろうか。

 すると「私は言霊が大事かなと思っていて。弱点や悩んでいることなどを口にしないようにしています。その人を支える自信って内面から出てくるものだと思うので、前向きな言葉ばかり言うようにしています」とポジティブなオーラを輝かせる。「落ち込むことも悩むこともあまりないですが、演じる役によっては気持ちが沈んでしまうこともある」そうだが、「ツイッターをのぞくと、ファンの方が良いことを言ってくださっていて。褒められるのが好きなので(笑)。ツイッターを見たり、あとはファンレターを読むとものすごく元気が出ますね!」と対処法を告白。

 「ファンレターをくれるのは、割合にすると、小学校、高学年の女の子が一番多いんです。その次に中1、中2、中3。“環奈ちゃんのこういうところが好き”とか“環奈ちゃんの作品を観て、女優さんになりたいと思いました”と書いてくれていたり、似顔絵を描いてくれる子もいます。かわいらしい便箋に筆圧強めで書いている文面や、何回も下書きしたのかなと感じるような手紙を見ていると、本当に励みになります。自分のやっていることが誰かに届いているんだなと思うと、前に進む力になります」としみじみと話していた。(取材・文:成田おり枝 写真:松林満美)

 映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』は全国公開中。

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