アフガニスタンからの脱出旅をスマホで撮影 『ミッドナイト・トラベラー』予告解禁

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映画『ミッドナイト・トラベラー』
映画『ミッドナイト・トラベラー』ポスタービジュアル (C)2019 OLD CHILLY PICTURES LLC.

 アフガニスタンを脱出した難民家族が、スマートフォンでその過酷な旅を自ら撮影したドキュメンタリー映画『ミッドナイト・トラベラー』より、予告編が解禁された。

 本作は、安住の地を求めて旅する難民家族が、アフガニスタンからヨーロッパまで5600キロメートルに及ぶ旅路を、3台のスマートフォンで自ら撮影した異色のドキュメンタリー。家族が誘拐の危機などを回避しながら荒野を駆け抜け、逃げ延びていく緊迫の様子がリアルに映し出されている。2019年ベルリン国際映画祭パノラマ部門エキュメニカル審査員賞や、サンダンス映画祭ワールドシネマドキュメンタリー審査員特別賞を受賞するなど、世界中の映画祭で23もの賞を獲得した。

 2015年、映像作家のハッサン・ファジリはタリバンから死刑宣告を受ける。自身が制作したアフガニスタンの平和に関するドキュメンタリーが国営放送で放送されると、タリバンはその内容に憤慨して出演した男性を殺害。監督したハッサンにも危機が迫っていた。彼は家族を守るため、アフガニスタンからヨーロッパまでの5600キロメートルの旅に、女優で映像制作経験もある妻ファティマ・フサイニと2人の娘たちを連れて出発することを決意する。

 ハッサンと家族は安全な場所を求めて、スマートフォンを手に、タジキスタン、トルコ、ブルガリアを経る命がけの旅を敢行。砂漠や平野、山を越え、荒野をさまよいやっとたどり着いた先で、難民保護を受けられず苦労することも。ヨーロッパへの脱出は想像以上の困難を極め、人としての尊厳を傷つけられるような境遇を経験しながらも、一家は旅の記録を続けていく。撮影することで、まだ自分たちが生きていることを確認するかのようにー。

 予告編は、ハッサンが「私は信仰心の厚い家庭に生まれた。私は映画監督となり、タリバンの指導者の映画を撮った。放映後、私は死刑宣告を受け、家族で山へ逃げ込んだ」と旅のいきさつを語るところからスタート。続いて、地図を見ながら旅路を確認する家族の姿や、スマホを手にしたハッサンが娘に「これが私たちのカメラ。スマホだ」と説明する場面の後、過酷な旅の様子が臨場感たっぷりに展開していく。

 「足が凍ってる。つま先がすごく冷たい」「もう、こんなのヤダ!」と訴える娘。「支払いの増額を要求してきたの。払わないと娘たちを誘拐するって」と憤る妻。逃亡先で「移民は敵だ」と非情な言葉を投げかけられる家族。それぞれの苦難の様子が次々と映し出され、最後はハッサンが一緒に走る妻に「走れ、走るんだ。がんばれ!君なら走れる」と語りかける場面で幕を閉じる。

 映画『ミッドナイト・トラベラー』は、9月11日より全国順次公開。

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