モフカワだけじゃない! 実写版『ピーターラビット』は吹き替えならではの魅力にあふれている

映画
ピーターラビット』(2018)PETER RABBIT
ピーター役は千葉雄大 実写版『ピーターラビット』(2018)は吹き替えも大きな魅力!  写真提供:AFLO

 絵本から飛び出したうさぎのピーターが元気いっぱいに暴れまわる実写映画『ピーターラビット』が、今夜地上波初放送される。かわいいだけじゃない、お調子者でトラブルメーカーなピーターの天真らんまんな姿がとってもキュートな本作だが、日本語吹き替え版も大きな魅力の一つ。 主人公ピーターを演じる俳優の千葉雄大と、脇を固める実力派声優たちとの掛け合いはもちろんのこと、吹き替えならではの名セリフも。今回はそんな魅力いっぱいの吹き替え版のポイントを紹介したい。

●千葉雄大の表情豊かな声はピーターそのもの!

 千葉演じるピーターは、公開当時から“ハマり役”と言われるほど。勢い盛んなピーターは、テンポのよいセリフ回しが求められる難しい役だが、テンションと愛きょうを合わせた千葉の吹き替えは鮮やか! アフレコでは常にピーターと同じ表情を作って臨んだというが、確かな演技力はもちろん、CMなどでもコロコロ変わる表情が印象的な千葉の能力が、見事に声の演技でも発揮されている。

 本作以前も声の演技経験はあった千葉だが、初めてアフレコを経験したのはデビュー作の特撮ドラマ『天装戦隊ゴセイジャー』。特撮といえば、スーツアクターが演じたアクションシーンに、後から俳優が声を入れるアフレコ作業が当たり前。本人もそこで映像に息遣いをあわせることを学んだと語っており、吹き替えに挑む基盤は十分に整っていたと言えるだろう。

 そして実写版ピーターの特徴は “かわいいだけじゃない”二面性。人間相手にかなりキツイいたずらの数々を仕掛けるブラックな一面も大きな魅力だ。本作が公開された2018年当時は、“千葉雄大=かわいい”のイメージの全盛期。そして映画の公開後あたりから、ドラマやバラエティー番組などでドSな一面が開花し始め、“腹黒い千葉くん”、“ブラックな千葉くん”と、まさにピーターとシンクロするように認知され出したのもこの頃。ピーターのかわいくて憎めないキャラは、まさに千葉雄大にピッタリだったのだ。

●『北斗の拳』の予告でおなじみ、ベテラン千葉繁の絶叫は必聴!

 吹き替え版声優でもう一人注目したいのが、ニワトリを演じた大ベテランの千葉繁。出番は決して多くはないのだが、ピーターの住む湖畔に朝が来るたび“コケコッコー”代わりに世の中への悲痛な雄叫びをあげるニワトリは、絶大なインパクト。その内容といえば、「また日が昇ってきたのか! 信じられん!  昨日の夜に目を閉じたとき、人生終わったと思ったのに! また新しい日が始まった!」である。そんな珍言の数々が、『北斗の拳』の予告をほうふつとさせる千葉繁の吹き替えで堪能することができる。たとえネガティブな気分に陥っている人でも、この狂った叫び声を聞けば思わず笑ってしまうこと必至。まさに物語の隠れた見どころなので、ぜひ聞き逃すことなく、本作ではこの2人の“千葉”の秀逸な演技に注目してもらいたい。

 そんなダブル千葉以外にも、脇を固める声優陣は豪華な実力派がそろった。ピーターの宿敵トーマス・マグレガーには、『ダイヤのA』の倉持洋一役や『ヒプノシスマイク』の碧棺左馬刻役で知られる浅沼晋太郎。ピーターの良き理解者ビア役には、『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』に出演した渋谷はるか。ほかにも清水理沙、木下紗華、下田レイら経験豊富なキャストがずらり。普段は映画を吹き替えで観ないという人も、今夜は達人たちの息の合った掛け合いに身を任せてみてほしい。

●吹き替え版ならではの名セリフ「それが僕のキャラの欠点だ」

 映画の字幕には、1秒間に4文字、1行あたり13文字前後というルールがあり、すべてのセリフが翻訳されているわけではない。簡潔に文字で内容を伝える字幕版に対し、日本語吹き替えは元のセリフにより忠実なニュアンスを伝えることができるのが利点だ。

 本作の前半、お調子者のピーターは親友のベンジャミンに無茶な悪巧みをやめるよう諭される。しかし、ピーターは「それが僕のキャラの欠点だ」と全く意に介さない。この「僕のキャラの欠点」というセリフには、本作の世界観がとてもよく表れている。失敗もするけれど、思いついたら実行せずにはいられないピーター。そんなポジティブさが欠点であり魅力なのだが、いつもやりすぎてしまうのだ。

 物語の後半では、いつも優しく世話を焼いてくれた親友のベンジャミンにとうとうあきれられてしまう事態に。その失敗をひとりで挽回しようと、都会行きの列車に飛び乗るピーターだったが、その時、列車を懸命に追いかけてくるベンジャミンの姿が見える。驚いたピーターが「一緒に来てくれるの?」と声をかけると、ベンジャミンがひと言、「それが僕のキャラの欠点だ」というセリフを叫ぶのだ。

 それは広い心でピーターを受け入れるベンジャミンの長所を、あえて「欠点」と表現する粋な場面なのだが、字幕では「それが僕のキャラだ」という表現にとどまっており、英語のセリフでの「欠点」にあたる「flaw」は訳されていない。まさに吹き替えだからこそ実現できた、元の言葉通りのメッセージを伝える名セリフとなっている。ちなみに続編「バーナバスの誘惑」では、この「それが僕のキャラの欠点だ」に呼応するようなセリフが登場。ぜひそちらにも注目してほしい。

 本作は、ピーターをはじめとした個性豊かな動物たちが注目されがちだが、完璧主義なのにどうしても仕事で報われないトーマスや、画家になる夢がうまくいかないビアなど、人間のキャラクターにも共感ポイントがたくさん。誰しも何かしら欠点を持っているが、だからこそ愛おしい。人生思ったようにいかないことも多いけれど、調子に乗ったり反省したり、毎日を一生懸命に駆け抜けていくピーターたちの姿が、きっと元気をくれるはず!

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