地球崩壊まで48時間『グリーンランド』公開記念! 『アルマゲドン』『2012』…あわせて観たいディザスター映画

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映画『グリーンランドー地球最後の2日間ー』
映画『グリーンランドー地球最後の2日間ー』メインビジュアル (C)2020 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 パンデミックが1年以上も続いてなお収束の気配もなかなか見えず、世のなか相変わらず大変なことになっている。だがこういう時こそ、世界が未曾有(みぞう)の危機に襲われるディザスター超大作を観ておきたいものだ。いま現在、現実社会で自分たちが直面している以上の危機がそこにはしばしば描かれている。たとえば最新作『グリーンランド―地球最後の2日間―』はどうだ。巨大隕石が地球に接近。大衝突による世界の滅亡はどうやら避けられない。とはいえ主人公は『エンド・オブ・ホワイトハウス』のジェラルド・バトラーだから、きっと体を張った大活躍でどうにか人類を救ってくれるのではないか。と思ったら今度のバトラー氏は市井に暮らす普通のお父さんの役柄だという。これは厄介なことになった…。『グリーンランド』については後ほどもう少し触れるとして、この機に古今の大災厄映画を振り返ってみたい。

◆全世界興収600億円越の大ヒット! 批評家からは大批判! 『アルマゲドン』

 巨大隕石が地球に迫る、と言われてまず思い出すのは『アルマゲドン』(1998年)ではなかろうか。ジェリー・ブラッカイマー製作、マイケル・ベイ監督。エアロスミスの主題歌が鳴り響く上映時間151分のドカ盛り作品は、全世界で5.5億ドル(約609億円)を稼ぎ出す超弩級のヒットを記録した。何といっても地球を襲う大隕石のサイズが概ねテキサス州ほどのサイズ、と明言されるあたりに本作の途方もないケレン味が凝縮されているのではないかと思う。この巨大どころではない隕石に水爆を打ち込みに出撃する石油会社のオッサン社員たち(リーダーはブルース・ウィリス)。やれ物語が荒唐無稽にすぎる、科学考証が無茶苦茶だ、あるいはカット割りの癖がすごすぎると、作品は批評家筋から袋叩きに遭った。98年、まだまだ人類にマイケル・ベイは早すぎたのかもしれない。

◆スピルバーグ製作総指揮『ディープ・インパクト』

 『ボルケーノ』と『ダンテズ・ピーク』(共に1997年)、または『ホワイトハウス・ダウン』と『エンド・オブ・ホワイトハウス』(共に2013年)など、実によく似た題材のパニック大作2本が、どういうわけだか極めて近い時期に公開されることがある。『アルマゲドン』の2ヵ月前に全米公開された『ディープ・インパクト』(1998年)でも巨大隕石が地球に接近。スピルバーグ製作総指揮のこちらはよりシリアスなトーンで、合衆国大統領から普通の市民たちまで、終末を目前にした人々の人生模様を描いていた。

 98年にこれら巨大隕石映画が競作された背景には当時の世紀末感があったのではなかろうかと思う。オーディエンスの、世界崩壊へのぼんやりした予感に当て込む、ある種の下世話な計算が働いていたのではないかと。いわゆるノストラダムスの大予言は大いに外れて、1999年に文明が滅びることはなかったが、その後2012年にもう一発崩壊の予言があった。そんな古代マヤ族の伝承をもとにした『2012』(2009年)、考え得る限りの大災害を次から次へと叩き込んだディザスター全部入りの超大作だった。

◆ハリウッドの破壊王エメリッヒによるディザスター映画の到達点『2012』

 惑星直列の影響で地球の内部が高温に達して液状化(理屈はもうひとつ分からないが、そういうことで納得してください)、全世界の大陸という大陸がボコボコと隆起する。火山が次々に大噴火、あらゆる都市を大地震が襲うなかを逃げ惑う主人公(ジョン・キューザック)とその家族。物語の舞台は世界を股にかけて目まぐるしく移り変わり、やはり政治家から一般市民までさまざまな階層の登場人物が出てきては右往左往する。その行く手を襲う巨大な地割れや大津波。158分の長尺はにわかに信じがたいビジュアル・イメージを連発、ピンチの上にピンチをこれでもかと積み重ねてなかなか終わってくれない。それでも監督ローランド・エメリッヒの手腕で一気に観てしまうのだが、鑑賞後は異常にグッタリすることは事実だ。

 『インデペンデンス・デイ』(1996年)に『GODZILLA』(1998年)、それに『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年)で執拗に人類の危機を描いてきたエメリッヒの、あるいはディザスター映画というジャンルそのものの、これはひとつの到達点といえよう。

◆新旧・筋肉サバイバル映画といえば『カリフォルニア・ダウン』&『デイライト』

 『2012』も含め、大災害ジャンルといえば性格俳優が顔をそろえたアンサンブル・キャストが見どころのひとつになることが多い。しかしそこへ押しも押されぬ大スターが一枚看板を背負って登板したらどうなるか。その答えが『カリフォルニア・ダウン』(2015年)にある。主人公はドウェイン・ジョンソン演じるレスキュー隊員。カリフォルニア全土を襲った超巨大地震のなかを、妻子を救うために奔走する(娘にふんするのはアレクサンドラ・ダダリオ。何というか父娘の画として異常に強い)。あり得ないほど超巨大な津波をボートで乗り越えるジョンソン。そんな馬鹿なと思いながら、この人の気合と根性と肉体につい懸けたくなる。これは映画にしか描き得ないミラクルだなと、わけも分からず目頭を熱くしたりする。


 筋肉がサバイバルに直結する映画の先達として、シルヴェスター・スタローンと巨大トンネル事故の戦いを描いた『デイライト』(1996年)もぜひご覧いただきたい。いずれの作品も強靭な肉体と、それ以上に己を捨てて人のために行動する正しい心こそが、危機にあって人を救うのだということを教えてくれる。

◆ジェラルド・バトラー“ふつう”のお父さんとして奮闘『グリーンランド―地球最後の2日間―』

 以上各作品を踏まえつつ、最新ディザスター大作『グリーンランド』に足を運んでみていただきたい。冒頭で触れた通り普通のお父さんたるジェラルド・バトラーとその家族が、迫りくる破滅を生き延びるために苦闘する。間違いなく地球規模の危機を俯瞰で描くのではなく、観客に近い目線で語るから切迫感と没入度がやけに高い。何しろいま観ておきたい作品である。地球規模のとんでもないクライシスを乗り越えていく人間の姿を描いた大災厄映画に触れると、われわれの現状もまだ絶望的ではない!と思う。それに登場人物たちの行動から、世界が崩壊しつつある状況で取るべき、あるいは取らざるべき行動についてのさまざまな教訓を得ることもできるのだ。たぶん!(文:てらさわホーク)

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