森七菜「そのままでいいんだ」 主演を経て変化した意識

映画
映画『ライアー×ライアー』森七菜インタビュー 2021年1月撮影
森七菜  クランクイン!(写真:松林満美)

 2017年に女優デビューして以降、話題作への出演が相次いでいる19歳、森七菜。実写映画で初ヒロインを務めた主演作『ライアー×ライアー』では、“地味系女子大生”と“金髪ギャル”の演じ分けにトライ。新境地を切り開いている。女優道を歩む中では、「以前は緊張で硬くなってしまうことが多かったんですが、緊張をしないほうが面白いアイデアが出たり、いいお芝居ができるような気がしています」とうれしい発見、変化もあったという。“主演”という大役に向かうときに思い出す先輩の存在や、女優として大切にしていることを明かした。

 本作は、金田一蓮十郎による同名の人気コミック(講談社「KCデザート」刊)を、SixTONESの松村北斗と森のダブル主演で実写化したラブストーリー。主人公となるのは、両親の再婚により義理の姉弟となった透(松村)と湊(森)。ある理由でギャルメイクをしていた湊が、透と遭遇。とっさに別人の「JK・みな」だとウソをつく湊だが、それを信じた透は彼女に恋をしてしまう。

■初のギャル姿 鏡を見て「びっくりしました!」

 もともと原作コミックのファンだったという森。“地味系女子大生・湊”と“金髪ギャル・みな”をコミカルに演じ分けているが、「表情がコロコロと変わるのが、湊の魅力。嘘をついてしまうけれど、それでも憎めなくて、愛されるような女の子。誰もが応援したくなるような部分を大事にしたいと思っていました」と原作ファンならではのこだわりを吐露。

 新しいチャレンジも多かったといい、「原作に沿ったお芝居をするのは初めてです。透にキスをされそうになって、“ダメ!”と止める仕草(しぐさ)も原作のままなんです! 自分から自然に出てくる表情や仕草が一番やりやすいものではありますが、それを優先するのではなく、原作に自分をなじませるという作業は難しくもあって。でも、とても楽しんでできました」とニッコリ。「漫画の湊が描かれているページをコピーして、それを台本に貼って、いつでも湊の表情を思い出せるようにしていました」と研究を重ねたと話す。

 金髪ギャル姿も初めての挑戦だ。「濃いリップ、カラーコンタクト、付け爪、カツラ…つけまつげは2枚重ね付けしています(笑)。やれることはすべて行って、個人的にもすべて初めての体験」だそうで、ギャルに変身した自分を初めて見た際には、「びっくりしました! とても新鮮でした」と楽しそうに述懐。「私の高校時代は膝丈のスカートだったので、短いスカートは少し恥ずかしくもあって。透に体を持ち上げられて、ぐるぐると回るシーンがあるんですが、“大丈夫かな?”と思いながらやっていました」と笑いつつ、「でもそういったファッションのおかげで、湊とみなの気持ちの切り替えもできた。ギャル姿に興味もあったので、経験できてすごくうれしかったです」と充実の表情を浮かべる。

■松村北斗との共演で得た「好きな人を思い涙を流す」感情

 透役の松村とは、今回が初共演。「透は湊にとって、何年も一緒に住んできた弟でもあるので、そういった関係をナチュラルに表現するためにも、松村さんのことをいろいろ知りたいなと思っていました。クールなイメージもあったんですが、現場ではスタッフさんと打ち解けていて、尊敬できる方だなと思いました」という森。

 そして、「とても緊迫していた」と振り返るのが、みなから別れを切り出された透が「別れたくない」と涙を流すシーン。「本番前は、“好きな人を思って涙を流すって、どういうことなんだろう”と感じていたんですが、透の表情や仕草から、“好きな人と別れるってすごくさみしいことなんだな”と実感できました。松村さん演じる透のおかげで、そういった気持ちが理解できました。“助けていただいたな”と思いますし、一緒にお芝居をしていて、とても心地よかったです」と喜びをかみ締める。

 湊に見せる“クール系モテ男”の顔と、みなに見せる“一途男子”の顔。透のツンとデレのギャップも胸キュンポイントだが、森がイチオシするのが「透がバイバイと大きく手を振るシーン。あれは松村さんのアドリブなんです!」とのこと。「この作品は、透のツンとデレが向かう対象が同一人物。映画をご覧になっている方は、湊とみなが同じ人物だとわかっているので、透のツンとデレのふたつをたっぷりと味わえる。それはこの作品だからこそ味わえる感覚だと思います」と語る。

■「そのままでいいんだ」 主演を経て変化した意識

 2019年に新海誠監督のアニメーション映画『天気の子』でヒロイン・陽菜の声を演じ、2020年は岩井俊二監督の『ラストレター』、連続テレビ小説『エール』(NHK)にも参加。同年の『この恋あたためますか』(TBS系)では連続ドラマ初主演を果たすなど、めきめきと活躍の場を広げている森。主演として真ん中に立つ機会もますます増えてくることと思うが、そんなときに思い出すのが、「菅田将暉さんや中村倫也さんの現場での振る舞い」だと話す。

 「『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』でご一緒した菅田さんは、ご自分もものすごく大変な役なのに、“このシーンはみんなが緊張しているから、少し話しかけておこう”など、いつも生徒みんなのことを考えてくださっていました。お芝居は一人でするものではないんだと、すごく勉強になりました」。さらに「『この恋あたためますか』では、クランクイン前に、中村倫也さんが“主演は初めてだもんね”と声をかけてくださって。“はい!頑張ります!”と答えたら、“いいんだよ、そんなに頑張らなくて”と言ってくださった。もちろん頑張るのは当たり前なんですが、中村さんがそう言ってくださったことで、“そのままでいいんだ”とすごくホッとしたんです」とリラックスできる魔法の言葉をもらったという。

 経験を重ねるごとに変化していることを聞いてみると、「緊張をしないで臨んだほうが、面白いアドリブを提案できたり、いいお芝居ができるような気がしています。いざ緊張してしまったときに、“硬くならないほうがいいんだぞ”と思い出すようにしています」とやはり心のコリをほぐすことの大切さを実感しているそうで、「そういった意味でも、中村さんは硬くなっている私を見て、言葉をかけてくださった。すごいなと思います」と感謝があふれ出す。

 ドラマ・映画で主演を務めた今、自身が感じている女優としての強みはどんなものだろうか? 「人の意見を聞くことができること…かな」とはにかみ、「なんだか恥ずかしいですが、それはすごく大切にしていることで。自分の意見以上に、周囲の話に耳を傾けたり、それを受け入れてみると、いい方向に進んだということも多い気がしています」と告白した森。作品や人との出会いにも恵まれ、「このお仕事に感じる楽しさがどんどん増えています。どんなことができるのか、これからの自分にも期待しています!」とキュートな笑顔を弾けさせていた。(取材・文:成田おり枝 写真:松林満美)

 映画『ライアー×ライアー』は2月19日より全国公開。

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