弘中綾香、八方美人にはなりたくない 人気アナウンサーを支える反骨精神

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『弘中綾香の純度100%』より
『弘中綾香の純度100%』より  写真提供:マガジンハウス

 「好きなアナウンサーランキング」(オリコン調べ)で2連覇を果たすなど、そのキュートなルックスと歯に衣着せぬ正直トークで幅広い層から支持を集めるテレビ朝日の弘中綾香アナウンサー。彼女の初エッセイ本『弘中綾香の純度100%』(マガジンハウス)が、30歳の誕生日である2月12日に発売される。自身の“いま”と“これから”を詰めたという本作に込めた思いや30代を迎える心境など、今感じているありのままの素直な気持ちを聞いた。

◆カッコつけず、嘘はつかずに書くことを心掛ける

 女性向けライフスタイルマガジン「Hanako」のウェブメディア「Hanako.tokyo」で2019年春から連載中のエッセイをまとめた本作。弘中自身が日々の生活の中で感じたことや、学生時代の思い出、念願のインド旅行記などを、テレビで見た印象どおりのキャラクターで生き生きとテンポよくつづる。

 昔から文章を書くことは苦ではなく、連載中も筆が進まないというスランプはなかったという弘中。書かれているテーマは、アナウンサーという職業だからこそ書ける内容もあるが、大半は、会社で後輩もできて仕事にも責任が生まれ、プライベートの趣味や楽しみを持ちつつも、日々のあれこれで怒ったり笑ったり、嫌な気持ちになったり自分を好きになったりしている、どこにでもいるような20代後半の女性の気持ちを率直に書いたものが多い。

 「『純度100%』というタイトルの通り、絶対に嘘はつかないようにしようと心掛けています。文章を書いていると、いい表現を使いたくなったり、思ってもいないことをきれいにまとめたくなってしまったりと、カッコづけがちなんですけど、初心に戻って、等身大で、私が本当に思ったことを書こう、そこだけはちゃんとしようと思って。

 私も一社会人として、周りからのいろいろな言葉で揺れたりしていますし、そんな私たちの年代なりの問題意識や置かれている状況を書いています。でも、それに対して共感してほしいと思っているわけではなく、こういう考え方もあるんだよっていう一例を見せられたらいいなと思っていて。こういう意見もあるよねと思ってもらえたらなと」。

◆30代を迎えるにあたり、尊敬する“先輩”と対談も

 書籍化にあたり、「もしアナウンサーになっていなかったら」というテーマで撮影した4つの職業のイメージフォト企画や、弘中自身が直接会って話を聞きたかったという著名人との対談も収録された。

 「30歳になるということが私の中で節目になっていました。20代から30代にステップアップするときにどうなっていきたいか?を考えるタイミングだと思ったので、人生の先輩や尊敬する人に“これからの私をどうしたらいいのか”を聞きに行こうと提案しました」。

 対談相手は、作家の林真理子、番組でも共演するオードリー・若林正恭、『アメトーーク!』『ロンドンハーツ』などで知られる加地倫三・テレビ朝日エグゼクティブプロデューサーとバラエティーに富んだ3人。人選はすんなり決まったという。

 「私は女性としてこうなりたいという姿として、自立して、自分でお仕事をちゃんとしてお金を稼いで、好きなものを買って、友達にも囲まれて、おいしいものを食べて、着たい服を着て、面白おかしく暮らすという女性に憧れていたんです。その原体験は林真理子先生のエッセイだと振り返り、そういう私に影響を与えてくれた林先生にぜひお話を聞きたいなと思いました。

 初対面の林先生はとてもエネルギッシュな方で、私よりもポジティブ。30歳の私がしょげたり、揺らいでいたら恥ずかしいなというくらい前向きな方でした。『30代楽しいわよ!』とお言葉をいただけて元気づけられましたね。

 若林さんは、お話をする機会をちゃんと持てていなくて。一度ちゃんとお話してみたいなと思い、今回かこつけました(笑)。会社の先輩の加地さんは、私をこの世界に導いてくださった方といううわさが独り歩きしているので、本当なのか確かめに行きました(笑)」。

◆怖かった30歳 いまはポジティブに

 今回のエッセイを30歳の誕生日に発売するなど、弘中にとって“30歳”という年齢は大きな意味合いを持つものだった。

 「今までは30歳って怖い、責任も重そうだし、いろんなことを決めなくてはいけなそうだし、面倒くさそうだぞ…と感じていましたが、最近はポジティブな気持ちになってきています。私は、20代は『若くてキャピキャピしてて、いいわね~』という扱いというか見られ方をすることが非常に多かったんです。でも、30代になったら、体も心も成長して落ち着きも出て、人からそういった目線で見られることもなく、仕事にも責任感が出て、やりがいのある10年間になるんじゃないかと思っています。結婚もできるかもしれないし、出産もできるかもしれないと思ったら、人生のターニングポイントがこれからも待っているな、どうなるんだろう?と30代がとても楽しみになりました。

 若輩者が言っていいのか分からないですけど、これまですごく頑張ってきたと思うんで、30代になったら、好きなことをやらせてくださいと言えるフェーズに入ってくるかなと思っています。自分のために今まで頑張ってきたことを糧にして、実現させていこうという野望がありますね」。

 これまでの人生を振り返ると、転機となったのは「この仕事を選んだこと」だという。弘中自身は、もともとどうしてもアナウンサーになりたいと強く希望していたタイプではなかった。

 「人前に立つようなキャラクターではないと思われていたので、学生時代の友達や先生はびっくりしています。私自身は流れに乗っただけなのですけど…。怖さや恐怖心もありましたが『やっちゃえ~!』と、あまり後先考えずにこの世界に入ったので、その時の勇気は、よかったのかなと思っています。後悔することもありますが(笑)」。

◆八方美人にはなりたくない――反骨精神で生きている

 『好きなアナウンサーランキング』で2連覇を果たすなど、現在の人気を自分ではどう捉えているのだろうか?

 「どこが受けているのか、自分でもあまりよく分からないんです。私自身、八方美人な人とか、当たり障りのないことを言う人、誰でも言えることを言う人が嫌いなんですね(笑)。あ、嫌いというか、苦手で(笑)。そういうふうにはなれないんです。そういう人になりたくないなという反骨精神で生きているので、そこがよかったんじゃないですかね。(そうした性分は)もともとあったものだとは思うんですけど、この職業になってじゅくじゅくと熟成されてきたものだとは思います。テレビでの姿は普段の私と変わりはなくて、一時期毒舌と騒がれた時も周囲の友達は『いっつもあんな感じだよね。なんであんな騒がれてるんだろうね?』という反応でした(笑)」。

 今回の本は、弘中の同世代はもちろん、年下の世代にも読んでほしいという。

 「私が10代の頃は、1年後、3年後、5年後が地続きにあって、想像しやすかった。でも、今は1年1年の変化が非常に大きく、2週間後も分からないぞっていう世の中に生きている。その中で10代や20代の子が目標を立てることは大変なことですし、不安で心配な日々を送っている子も多いんじゃないかなと思うんです。

 でも、私がいい例というか…、私はまったく何の目標も夢もなく、試しに乗ってみた船で渡り着いてここまで生きてきましたみたいなパターンの人なので。『若いんだからノリでやってみろ!』って伝えたいです。いくら失敗してもやり直しがきくと思いますし、周りの環境とかを悲観的に思わずにチャレンジしてほしい。自分の中の野心ややりたいことを大切にしてほしいなって思います」。

 そんな弘中の等身大の素顔がたっぷり詰め込まれた本作。

 「肉厚というか、タレント本だと思って読むとやけどします(笑)。軽い気持ちで読むと胸やけがしてしまうと思うので、お休みの日とかにしっかり読んでほしい。それくらい腹を決めて書いた文章が非常に多いので、最後まで楽しんでほしいですね」。(取材・文:編集部)

 『弘中綾香の純度100%』は、マガジンハウスより2月12日発売。価格は1800円(税別)。

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