『逃げ恥』脚本・野木亜紀子が絶賛する、新垣結衣&星野源の“普通力”

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【TBS】『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』場面写真
『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』場面写真 (C)TBS

 『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『MIU404』(全てTBS系)など、ヒット作を生み出し続ける脚本家の野木亜紀子。来年放送の『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBS系/2021年1月2日21時)でも連ドラに続き、『逃げ恥』の脚本を担当する。さまざまな社会問題を落とし込んだエンターテインメントを放ってきた野木が、世間の常識が一変した今、本作に込めた思いとは?

★『逃げ恥』続編は「荷が重かった」

 2016年10月期に、海野つなみの同名漫画を実写化した連ドラ『逃げるは恥だが役に立つ』は、「職ナシ」「彼氏ナシ」「居場所ナシ」の主人公・みくり(新垣結衣)が、恋愛経験のない独身サラリーマン・平匡(星野源)と仕事として契約結婚。「夫=雇用主」「妻=従業員」の雇用関係で恋愛感情を持たないはずが、同じ屋根の下で暮らすうち、妄想女子とウブ男は徐々にお互いを意識しだす…というラブコメディーだ。

 『逃げ恥』はエンディングでキャスト陣が踊った“恋ダンス”など社会現象を巻き起こしたが、ヒットの要因を改めて問うと野木は「ひとつの何かじゃない」と断言。「原作の面白さ、当時の新垣結衣と星野源という絶妙さ、マッチした歌やダンス、金子文紀監督の冴(さ)えた演出、いろんなことが重なり、上昇気流に乗ってヒットにつながった。今、放送しても違う結果になっていたはずだし、その流れはどんなに頑張っても意図して作れるものではなくて。ガッキーが『いろいろなピースがはまり、うまくいったドラマ』と言っていましたが、まさにそういうことだと思います」と分析。

 連ドラ終了後、那須田淳プロデューサーから続編をやりたいと言われた際、「原作が終わったので無理ですねと言った」という野木。だが、原作漫画の連載が再開されたことで続編が動き出し、「困難なことをやらねばいけないと思いました。『逃げ恥』は多くの方に愛された作品で期待も大きい。ファンを裏切ることはできないですし、海野先生が続編を書いてくださったことを含めて荷が重かった」と当時の本音を吐露するも、「みんなの夢を壊さず、楽しく見ていただけるものを作れたらと思っていました」と意欲を持って臨んだという。

★海野つなみの原作が描く多様性を継承

 スペシャルでは原作の10巻と11巻をベースに、みくりと平匡が結婚し、妊娠、出産、子育てで生じる新たな問題に向き合っていく様子が描かれる。原作を読んだ時の印象を「なるほど、こうきたかと。海野先生はその時に必要なものを描かれる方だと思いましたね。追い詰められる男性の気持ち、肩肘を張って過ごす人たちが弱音を吐ける場所があったらいいよねという部分はドラマでもきちんとやらないといけないと死守しました」と回顧。

 連ドラでは“ムズキュン”という言葉と共にキュン要素も注目を集めたが、「今回はラブコメの先の家族の話なので多くない。そもそも原作にムズキュンという言葉は1mmも出てこないんです。海野先生は別にキュンを狙ってるわけではなく多様性を描いていて、私もそれを継承しているだけ。『逃げ恥』は人間と人間のディスコミュニケーションの話。隣にいても分かり合えなかったり、別々の人間だから違い、近づこうと思ってもそれがうまくいかなかったり。その距離感が結果的にキュンとしたり、切なくなったりするんです」と本作で描きたかったことを語った。

★星野源の“志摩→平匡”の変化ぶりに爆笑

 連ドラでディスコミュニケーションを絶妙に表現した新垣と星野の魅力を問うと、「それぞれ普通が上手い」と答え、「ガッキーは一見キラキラしてるけど普通が演じられるし、細かいお芝居が上手。源さんもポップスターなのに普通で素朴を演じられる。2人の持つ普通力は意外と見過ごされがちですが、連ドラにもかなり生かされていました」と絶賛。また4年ぶりの撮影でも「変わってない2人がすごい」と言い、特に星野には驚かされたとも。星野は直前まで『MIU404』でクールな刑事・志摩を演じていたが、「志摩から平匡の変化ぶりが衝撃過ぎて、爆笑してしまって(笑)。別人でビックリしました」と明かした。

 常識が一変した2020年の世相も反映されている新春スペシャル。野木は「2011年の東日本大震災は転換期で、何も解決しないまま忘れ去られそうになっているのがすごく気持ち悪くて。2021年は10年の節目ですが、今年はそれを吹き飛ばす大変な年になり、解決されないものが積み重なってしまった。本当にどうしようかという感じで、もっといろんなことを考えて生き、作らないといけないと思いました」と言及。そんな現状を踏まえてからなのか、野木は「ガンバレ人類!」というサブタイトルに対し、「ふざけたタイトルで大丈夫かとも思いますが、見たら分かっていただけるはず」と思いを口にした。オンエアを楽しみながら、野木が本作で今の世の中に伝えたいメッセージを受け取りたい。(取材・文:高山美穂)

 『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』は、TBS系にて2021年1月2日21時放送。

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