松本まりか、初めて感じる“求められる喜び”  不安を感じつつも「これからがスタート」

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松本まりか写真集「MM」インタビュー 20201107実施
松本まりか  クランクイン!

 デビュー20周年を迎えた女優の松本まりか。2020年はドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』(関西テレビ・フジテレビ系)、『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)などに出演しただけでなく、バラエティや歌番組にもチャレンジ。さらには『松本まりか写真集「MM(エムエム)」』(マガジンハウス)を上梓するなど、快進撃を見せた。長い不遇時代を経てブレイクした心境を「求められる喜びはハンパない。“あざとかわいい”など、役柄を通していろいろと面白がってもらえることもうれしい」と語るが、「期待に応えたい、どれだけ応えられるのだろうか、という今までには感じていなかった不安、課題も生まれている」と告白する。喜び、不安、そして「これからがスタート」という展望ーー。松本まりかの“今”を語ってもらった。

■激動の2020年「初めて忙しいという気持ちを味わった」

 コロナ禍の自粛期間に「写真集を作りたい」と思い立ち、『松本まりか写真集「MM(エムエム)」』を製作。「エネルギッシュに走っている今の自分を残しておきたかった」という松本の“今”を詰め込んだ写真集が完成したが、「ドラマの撮影も忙しい時期だったんですが、なんとか写真集の撮影までに心身を鍛えておこうとジムに通って」と製作スケジュールは多忙を極めたそう。その結果生まれた作品は、Amazonランキングタレント写真集部門で第1位を記録するなど、多くの人に支持を受けた。

 昨年は女優としての仕事だけでなく、CMやバラエティ、歌番組にも出演するなど、八面六臂の活躍を見せた1年となったが、「激動、激変の1年でした。いろいろな風が吹いた。これまではスケジュールが空いているのがほとんどだったので、こんなにもいっぱいになるのは20年で初めてのことなんです。初めて分刻みスケジュールの、想像を超えた過酷さをこの数ヵ月体験中です(笑)。渦中でしか体感できないものがあるはずですし、限界までやり切ったらまた違う景色が見れると信じて」と笑顔を浮かべる。


■不遇時代は灰色の雲の中にいるよう…「でも諦めるという選択肢はなかった」

 2000年にテレビドラマ『六番目の小夜子』(NHK教育)で女優デビュー。その後、長い下積み期間を経て転機となったのが、魔性の女を演じた2018年放送のドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)だ。「たくさんの方に知っていただくことができた。『ホリデイラブ』に出会ったからこそ、今こうしてお仕事をできている」と感謝する。ブレイクまでは時間がかかったが、仕事のない時期は「やっぱり、しんどかった」そうで、「灰色の雲の中にいるようで、手をいくら伸ばしても、欲しいものがつかめない。どうしたらいいか分からないって、とてもキツイんですよね。その状態が長かったので、すごくもがいていたなと思います」と振り返る。

 それでも「諦めるという選択肢はなかった。“頑張らない=廃人になるしかない”と思っていたので、いつも崖っぷちでした」とにっこり。

 「演じること以上に好きなことがなかったし、演じているときだけが、楽しい。それと同時に“魅力的な人になりたい”と思って、ここまで進んできました。女優として成功できる保証なんてまったくなかったけれど、年齢を重ねたときに、自分らしく、自信を持って生きていける自分になりたかった。その思いで突き進んできた先に、『ホリデイラブ』に出会えた」と自分らしさを極めた結果が、女優として生きることだったという。

 今や、ときに“怪演女優”と呼ばれるほど、キャラクターの痛みやもがきを表現できる女優として、存在感を発揮している。女優として大切にしていることを聞いてみると、「どんな役でも、一朝一夕ではできないもの。持っている知識や経験など、自分が得たもの、感じたものが映し出されるものだと感じています。そう思うと、“人生をどうやって生きてきたのか”“どのように日々を生きるのか”ということがとても大事になってくるのかなと。いろいろなものが手にできず、壁にぶち当たった経験もすべて、演じる役に生きてくるものだと思っています」と吐露。これまでの苦労が、深みのある芝居へと結実している。

■“あざとかわいい”も「うれしい!」
 
 『教場II』(フジテレビ系)で木村拓哉と共演、4月からは大地真央と共演する『最高のオバハン 中島ハルコ』(東海テレビ・フジテレビ系)がスタートするなど2021年も順調に仕事が舞い込んでいる。そんな現状に「灰色の雲が晴れた感覚があります」と語る一方、「このキャラクターが魅力的でなければ、物語の足を引っ張ってしまうというような役や、責任感のあるお仕事が増えて。失敗できないし、一つ一つ、きちんとやらなければという気持ちも湧いてきます。期待に応えたい、それ以上のもので応えたい、どれだけ応えられるのだろうか、という今までには感じていなかった不安、課題も生まれています」と恐れもあるのだとか。

 とはいえ「求められる喜びはハンパない」と不安を吹き飛ばすような、輝くような笑顔を見せる。「それはそれは恐ろしい状況をこれまで経験しているので(笑)、いかに今の状態が素晴らしいことか、ありがたいことかは、心の底から実感しています。お仕事をいただけるのは当たり前ではないし、奇跡的なこと。今すごく求めていただける時期だったとしたら、その後に自分がどうなっているかも大事。今はとにかく、走れるだけ走りたい! いただくお仕事はなんだってやりたい」と意欲が体中からあふれ出す。

 求められることで、新たな自分も発見することもあるという。「“あざとかわいい”など、役柄を通していろいろと面白がっていただけることもうれしい。そんなイメージを持ってもらえるなんて、自分では思ってもみませんでした。もしそういったことでクリエイターの方々に刺激になっているとしたら、すごくうれしいです。バラエティや歌のお仕事をいただけるなんて思っていなかったですし、そこでみなさんにいろいろな部分を引き出していただいて、“こんなこともできるんだ、こんな楽しみもあるんだ”と新しい発見がありました」。

 現在36歳。40代に向けて「今までやれなかったことを全部やりたい。自分の可能性をもっと広げたい」と宣言。「この歳になって初めて経験させていただくことがたくさんあって、最高です。36歳って、これからなんだってできる年齢。これからがスタートだと思っています」とまっすぐに未来を見つめる姿に、こちらも胸が踊る思いがした。(取材・文:成田おり枝 写真:ヨシダヤスシ ヘアメイク:犬木愛 スタイリスト:コギソマナ 衣装:スタイリスト私物)
 
 『松本まりか写真集「MM」』は、マガジンハウスより発売中。価格は1980円(税別)。

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