山之内すず、芸能界へ入った当初「自信なんてないし誇れるものも何もなかった」

映画
20201108山之内すずインタビュー
山之内すず  クランクイン!

 タレントやモデル、インフルエンサーとさまざまな肩書きで活躍している、10代のカリスマ・山之内すず。昨年放送の恋愛リアリティショー『白雪とオオカミくんには騙されない♥』(ABEMA)に出演して以降、飛ぶ鳥を落とす勢いでのメディア出演が相次いでいる。11月公開の映画『人狼ゲーム デスゲームの運営人』への出演で女優としての飛躍も期待されるが、忙しない日々の中で自身の活動に対して何を思うのか。本人は芸能界へ入った当初「自信なんてないし誇れるものも何もなかった」と振り返る。

■スタッフの声を受けて「演技がやりたい」と言えるように

 人気シリーズ「人狼ゲーム」の実写化第8弾となるサバイバルゲーム・スリラー『人狼ゲーム デスゲームの運営人』では、ゲーム参加者の一人である末吉萌々香を演じた山之内。人狼ゲームの運営側に初めてスポットを当てた本作では、同世代の参加者たちと共に鬼気迫る心理戦にほん弄される少女を熱演した。

 映画出演は、2019年公開の『ゆうなぎ』以来2度目。同世代の顔ぶれが目立った撮影現場では、多くの刺激も受けたようだ。

 「シリアスな作品は初めてで、テーマにある『デスゲーム』ならではの緊張感も味わえたし、撮影が始まると皆さんの空気感が急に変わるんだと思うほど、何も分からない自分にとっては貴重な経験でした。演技については、子役時代からの経験があったり舞台でも活躍されている出演者の方々や、川上亮監督であったり、周りの方々と相談しながら進めていきました。

 男の子っぽいと言われがちな自分からすると、萌々香は女の子らしく守ってあげたくなるような憧れの存在でもあって。でも、撮影現場で川上監督が『オーディションの演技を見て萌々香にふさわしいと思ったからすずを選んだ』と言ってくださったんです。役づくりでも、私が『ずるがしこい女の子なんでしょうね』と聞いたら『そういう子なのかもしれないね。じゃあ、こう演じてみようか』と原作も手がけている立場から寄り添うように答えてくださったし、自分の思っていた萌々香像でいいんだと安心感も生まれました」。

 過去には、演技に挑戦したいと公言していたこともある山之内。今後を見据えても、本作は「自分のキャリアとして残る作品だろうし、撮影現場で変わった部分も多かった」と話す。

 「現状は、芸能界へ入るきっかけになったSNSやバラエティー番組への出演がメインだし、演技の世界では元から『俳優さんになりたい』という思いで頑張っていらっしゃる方々ばかりだから、正直にいえば、自分が言っていいものかはだいぶ迷っていました。

 ただ、クランクアップしてから涙を流すほど帰りたくないと思えた撮影現場で、プロデューサーさんが『この作品に出演できたのがすごいことだし、誰も演技が下手だなんて言わないから、女優として一歩前進できたことに自信を持っていいんだよ』と声を掛けてくださって。その言葉を受けて『演技がやりたい』と言っていいと思えたし、ほんの少しだけど、今の自分が好きだなと感じられるようになりました」。

■芸能界へ入った当初「自信なんてないし誇れるものも何もなかった」

 今や、バラエティー番組を中心にさまざまなメディアで引っ張りだこなのは、はた目からみても明らかだ。幅広く活躍する中で、自分自身の肩書きについてどのように考えているのか。自身の立ち位置を俯瞰(ふかん)する。

 「いろいろな方からも『結局、何なの?』と言われるんですよ(笑)。でも正直、自分なりには縛られる必要がないかなとも思っていて。タレントやモデル、女優として活動していますが、お声掛けいただけるものがあるならやっていきたいし、肩書きがなくとも『山之内すずだ』と認めてもらえるのが一番の目標だと考えています。

 それに、どんなお仕事をするにもまだまだ未熟だから。モデルとしても専属でこなしているわけではないし、タレントとしても何かを確立しているわけでもないんですよ。芸能界へ飛び込んで2年目となりましたが、これから先、何十年と歳を重ねたときに『お母さん、すごいやろ?』と子どもに言いたいし(笑)、自分で自分を認めてあげたいのでもっといろんな経験を重ねていきたい気持ちが強いです」。

 真摯(しんし)に仕事へ応えようとする一方で、自分自身が求められている理由についても言及する。

 「自分の需要に対しては、すごく考えています。正直、元々は自信なんてないし誇れるものも何もなかったです。だから、何もできなかったはずの自分が『どうしてこんなにいろいろな経験をさせてもらえるんだろう』と疑問は感じてはいます。急にお仕事の話が一気に舞い込んできた時期も自分から何かを起こしたとか、変えた実感もなかったんです。

 でも、同じ番組に何度も呼んでもらえるようになったときに、少しずつ手応えを感じられるようになって。それこそたびたび呼んでいただけるようになった『サンデー・ジャポン』(TBS系/毎週日曜9時54分)でも、専門的な知識があるわけでもなく、面白いことが言えている自信もなかったのですが、10代の一人としての発言が世間の声にも近く、今まさに自分に求められていることなのかと感じているんです。

 あとはたぶん、変なところで度胸があったりもするから(笑)。不意に何かの話題を振られてもどうにか対応できているのは、関西出身のノリが強みにもなっていると思うし、私の言葉が好きだとおっしゃってくれる方々の声も励みになっています」。

■飛躍の裏に自己分析「自分が自分のことを一番分かっていないと何もできない」

 一般人だった当時。サロンモデルとしてインスタグラムへアップしていた写真が、現在の所属事務所の目に止まり、芸能界デビューをつかみ取った山之内。そこからわずか2年ほどの飛躍はまるで“シンデレラ・ストーリー”のように見えるが、その裏では彼女なりの努力もあったという。

 「昨年の10月頃、ちょうど『サンデー・ジャポン』に出演し始めた頃から、自己分析をするようになったんです。昨年3月に上京して一人暮らしを始めるようになり、だんだんとお仕事を重ねるにつれて『自分が自分のことを一番分かっていないと何もできない』と考えるようになって。どんなお仕事をするにも大切だなと思って、“変わる努力”をするようになりました。

 例えば、映画を観たり本を読んだりしたときに以前はただ『面白かった』と感想を言うだけでしたけど、自分の感じたことを具体的に言語化するようになって。どこかに公開するわけでもないのに、文章を何度も書いては消して…と繰り返して保存しておく、ということをしていました。

 元々、自分の気持ちを言葉にするのは得意ではなかったから、鍛えようと思ったんですよ。自分の意見を発するために自分の感情を理解しようと自主的に始めたことでしたが、テレビでのコメントや演技にも役立っていると実感できているし、これからも続けていきたいです」。

■今、一番怖いのは「挫折を味わっていないこと」

 笑顔で周囲を明るくするような振る舞いも目立つが、自らの将来に対しては、ネガティブさもにじませる。

 「現状を考えると、挫折を味わっていないことが一番怖いんです。今回の映画でも、過酷な場面はありながら雰囲気のよい撮影現場でしたし、テレビ番組もすてきな現場ばかりだから。芸能界の厳しさに出会った実感がなく、これからもし直面したときにどう乗り越えるべきかは常に想像しています。

 今もまだ、一般人という感覚も残っているから、芸能界にはそれこそ怖いプロデューサーさんがいて…みたいなイメージもありましたけど、皆さんがむしろ優し過ぎるからかえって不安を覚えるような機会も多いし、いつか怖い人に会ったらビックリしちゃう気もして(笑)。

 経歴としては2年目だからまだまだ日も浅いし、調子に乗らないようにと自分を戒(いまし)めてもいるんです。それに、今思う中での最終的な目標は『自分に自信を持つこと』だから。自己肯定感がそもそも低い人間なので、ダメなところを見付けながら改善する毎日なんですよ。芸能界へ入ってからだいぶポジティブになったとは思うけど、ネガティブな自分も大切にして、一つひとつのお仕事に丁寧に取り組んでいきたいです」。

 慢心することなく、バラエティー番組などでは常に「出演させていただいている」という気持ちを胸に秘めているという山之内。最後、数年後の自分像を思い浮かべながら「いずれ『あの頃と比べて成長したよね』と言ってもらえるようになったら、胸を張って芸能人を名乗れるようになるのかなと思っています」と笑顔で答えてくれた。(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:松林満美)

 映画『人狼ゲーム デスゲームの運営人』は11月13日より公開。

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