欅坂46・二期生、改名発表後の気持ちの変化 次第に大きくなる「寂しさ」と「期待」

映画
20200916欅坂46・田村保乃、松田里奈、武元唯衣
(左から)欅坂46・田村保乃、松田里奈、武元唯衣  クランクイン!

 10月に東京・国立代々木競技場第一体育館で行われるラストライブで活動を休止し、改名により再出発を図るアイドルグループ・欅坂46。その5年間の活動の軌跡を描いたドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』が公開中だ。グループの岐路を前に心境を吐露したのは、2018年11月に加入した二期生の武元唯衣、田村保乃、松田里奈の3人。改名発表を経た欅坂46に対する今の思いを明かした。

■無観客配信ライブの発表で改名が“現実”になった

 結成時からの軌跡をたどるドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』は、秘蔵映像やメンバーそれぞれの単独インタビューで構成。デビューシングルから2019年2月リリースの8thシングル「黒い羊」まで不動のセンターを務めていた平手友梨奈らの脱退・卒業を経て、2月に加入を発表した新二期生を含む28人のメンバーで7月に臨んだグループ初の無観客配信ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online,but with YOU!」での改名発表の瞬間、さらに、その数日後に収録されたメンバーの心境にも迫っている。

――当初は4月公開の予定でしたが、コロナ禍で一時延期に。そのためくしくも結成当初から改名発表までと真にグループの一部始終を描く作品となりましたが、ラストライブも控える今、この映画が公開されることに何を思っていますか?

武元:改名を境に私たちを知ってくださった方や、そこから少し気になってくれた方もきっといると思うので、そんな方々にも観てほしいです。5年間の歴史の幕を閉じるにあたって、今までの先輩方や私たちの思いを知りたいと願い、グループを支えてくださったファンの方々も含めて、いろいろな方に届いてほしいです。

松田:今年に入りなかなか活動が思うようにできず、その中で「何か届けられていたのかな」と感じていたので、映画として一つの作品を届けられるということ自体良かったなと思います。武元も言ったように、改名発表も大きな出来事だったので、結果としてこのタイミングがふさわしかったのかなとも考えています。

田村:改名の直前というタイミングだから、いい意味で区切りが付く気もするんです。また、メンバーとしてもファンの皆さんと同じ気持ちで、次のステップへ進めるきっかけを今回のドキュメンタリー映画が与えてくれたのかなと思います。

――映画でも触れられている無観客配信ライブの終盤では、皆さんを背にキャプテンの菅井友香さんが「グループとしてもっともっと強くなるための決断」として、改名発表のスピーチを行っていました。その瞬間、皆さんは何を思っていたのでしょうか?

武元:本番前からいろいろな思いは巡りつつも、ファンの皆さんを不安にさせないために最後まで強くいようと心に決めていたんです。でも、菅井さんの言葉には何一つ嘘がなくて。泣かないと決めていたはずなのに、聞いているうちに自然と涙が止まらなくなっていました。

自分の中では前を向いていたはずだし、改名に対してもライブに打ち込むことで考えないようにしていたんです。でも、スピーチを通して改名が一気に現実味を帯びたことで、これまでの思い出や寂しさ、前へ向こうという気持ちが入り交じっていったのを覚えています。

松田:心の中では改名を受け入れていたつもりでしたが、それでもライブ中にはふとした瞬間に寂しいなと思うときがあって。だから、菅井さんのスピーチを聞いていたときは「寂しいけど、頑張ろう」と2つの気持ちが込み上げてくる複雑な状況でしたし、ファンの皆さんに言葉として伝えてしまったら、現実になってしまうと考えていました。

田村:自分たちから言わなければ改名も現実にならないというのは、2人と同じで私も思っていました。本番前までも正直にいえば寂しさや悔しさがあり、改名をせずに「欅坂46のままでも私たちもっと頑張れるし、やりたいのに」と考えていたし、ライブが始まるまでは私たちしか知らなかったので、言わなければ誰にも分からないと思っていました。

でも、いざ本番が始まってからはファンの皆さんへ発表するまでのタイムリミットが迫っていると考えるたびに、だんだんと押し殺していた気持ちが込み上げてきて。それでも改名を伝えるためにライブをしていたわけではないし、最後まで欅坂46の一員としてカッコよくステージへ立ち続けていたいと思っていたので、菅井さんのスピーチは「自分もメンバーの一人」と奮い立たせながら、とにかくすべてしっかりと見届けようと思っていました。

■改名発表後に気持ちの変化 次第に大きくなる「寂しさ」と「期待」

――無観客配信ライブから数日後、3人それぞれブログでも改名発表後の心境をつづっていました。約2ヵ月ほどが経過しましたが、当時の思いに変化はありましたか?

武元:発表直後のブログでは「前向きな決断だった」とファンの皆さんに伝えなければいけないという気持ちもあったので、どこか「受け入れているんだ」と自分に対しても思い込ませていた気もします。そこから時間が経って、今はだんだんと寂しさが大きくなってきました。

ラストライブが近づいていくにつれて、日に日に、欅坂ではなくなることへの気持ちが強くなってきている気もして。当初は、改名しか「私たちには道がない」と覚悟しなければならない場所にいると自分を奮い立たせてもいましたが、その気持ちが薄れたわけではなく、それでも寂しさがだんだんと強くなってきました。

松田:私は、ブログに気持ちを込めた当時と今を比べても、そこまで大きな変化はないと思っていて。これまでの自分たちの思い出はなくなるわけではないから大切にしていたいし、それでも前へ進む道しかないと感じています。

ラストライブが決まっている以上「欅坂46のメンバーとしていられる時間」がどんどん短くなっているのは分かるから、もちろん寂しさはあるんです。ただ一方で、タイムリミットがあっても、私たちが表に出してしまうとファンの皆さんを不安にしてしまうという気持ちもあります。

田村:当時のブログを時間を空けて読み返してみたら、あんまり自分の気持ちを書いていなかった気もしました。客観的に周囲の気持ちを書いていたように見えたので、改めて自分の思いを振り返ったんです。でも、今は少し考え方が変わってきたような気もします。

私はたぶん2人とは反対で、むしろ無観客配信ライブの直後の方が寂しさが強かったんです。でも、今は楽しみな気持ちの方が強いです。改名が一つのきっかけになると考えていて、このきっかけを逃してしまえば、本当にもう「後はないんじゃないか」と思っているんです。このタイミングを絶対につかみたいので、そういう意味ではすごく前向きだし、「絶対にやってやろう」と思っています。欅坂というグループはもちろん好きですし、たくさん思い出もあります。でも正直、二期生はまだ何もできていないので、新しくなって何かできるんじゃないかって。やりたいことはたくさんあるので、新しいグループでできたら、という期待が大きいです。

■ラストライブへ向けて「カッコいい欅坂46」を貫き通したい

――2018年12月10日に東京・日本武道館で行われた、二期生にとっての初ステージ「欅坂46 二期生/けやき坂46 三期生『お見立て会』」から約1年9ヵ月。これまでの活動を振り返り、皆さんがグループのメンバーになれたと実感できた時期はいつだったのでしょうか?

武元:ハッキリとしたきっかけがあったわけではなく、昨年7月の「欅共和国2019」からその後の「欅坂46 夏の全国アリーナツアー2019」にかけて、自分なりに「欅坂46の武元唯衣」としての実感が湧いてきました。

東京ドーム公演もあり、パフォーマンス面でも曲ごとに先輩方のポジションへ立つ思いも変わってきた気がして。その時期まではどこか申し訳なさや怖さを感じていましたが、だんだんと経験を重ねるにつれて「メンバーなんだから堂々とステージへ立たなければいけない」という感情も強くなっていきました。

松田:私も明らかなきっかけはなくて、いつの間にか自然と自覚が強くなっていった気がします。加入からしばらくはメンバーとしての手応えをつかめずにいましたが、時間が解決してくれたような気もして。やっぱりステージを経験していくにつれて、自分の中で「もっと頑張らなきゃ」という気持ちが強くなっていきました。

田村:私は、9thシングルの選抜発表(※)でした。それまでは先輩のポジションを埋める立場で、二期生の私たちにはそれしかできなかったんです。もちろん先輩たちのポジションに入らせていただけるのはうれしいんですが、自分たちにはそれしかなくて、でも、そこでどれだけ精いっぱいやって結果を残せるかと頑張ってきたので、初めて自分のポジションをいただけたときに「欅坂46のメンバーとしての自分の立ち位置ができた」と思えました。

先輩のポジションに入っても、正直、二期生の自分たちはどこか自信がなかった気もするんです。同じ曲でも今回はこのポジションで、次は違う人が代わりを務めるという繰り返しで、毎回が選抜発表のような気分だったから、初めて自分のポジションをいただけたときに、小さな自信にもつながっていったなと感じます。

※欅坂46は、デビューシングル「サイレントマジョリティー」から8thシングル「黒い羊」まで“全員選抜”の形であったが、2019年冬に発売を予定していた9thシングルでグループ初の選抜制を導入、当時のメンバー26人から17人に絞り込んだフォーメーションを発表していた。しかし、予定していた9thシングルはその後、発売延期に。8月にリリースされた配信限定シングル「誰がその鐘を鳴らすのか?」がグループとして最後のシングルとなった。ドキュメンタリー映画では、選抜発表の様子も描かれている。

――最後に、10月に控えるラストライブまでわずかとなりましたが、欅坂46として残された時間をどう過ごしていきたいですか?

武元:私は加入前から欅坂46の存在に支えられてきたので、グループに対する感謝を見せていきたいです。自分なりに「欅坂46の武元唯衣です」と言えることに誇りを持ってきたし、残り少ない時間を大切に過ごしていきたいと思います。

松田:ラストライブまでの時間もたぶん、今までと大きく変わることはないだろうとは思うんです。でも、タイムリミットがあるのは事実だし、それぞれが自分にできる限りに精いっぱい、欅坂46と向き合うことが、いちばん大事かなと感じています。

田村:ファンの皆さんが好きだったはずの「カッコいい欅坂46」を、最後まで貫き通したい気持ちもあるんです。一方で、改名を経て新しいグループになってからも応援したいと思ってもらえるように前を向いていたいし、いい意味で振り返りながら頑張っていきたいと思います。(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:曽我美芽)


 欅坂46ドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』は全国公開中。

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