欅坂46・菅井友香、改名後も「サイレントマジョリティー」は歌い続けたい <菅井友香&守屋茜インタビュー>

映画
20200903欅坂46・菅井友香、守屋茜
(左から)欅坂46・菅井友香、守屋茜  クランクイン!

 10月に東京・国立代々木競技場第一体育館で行われるラストライブで活動を休止、改名により再出発へ向かうアイドルグループ・欅坂46のドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』が9月4日に公開される。2016年4月のデビューシングル「サイレントマジョリティー」リリース以降、独自のパフォーマンスで地位を築いてきたグループのメンバーは今、何を思うのか。映画の公開延期前、3月に取材したキャプテン・菅井友香と副キャプテン・守屋茜の対談、さらに、8月に追加取材として行った菅井の単独インタビューをお届けする。

■「本音を伝えるべき」「批判はきっとある」撮影への覚悟

 結成時からの軌跡をたどるドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』は、秘蔵映像やメンバーたちへの独自インタビューで構成。デビューシングルから2019年2月リリースの8thシングル「黒い羊」まで不動のセンターを務めていた平手友梨奈らの脱退を経て、7月に行われた無観客配信ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online,but with YOU!」での改名発表の瞬間、さらに、その数日後に収録された限りなく“今”に近いメンバーの心境にも迫っている。

 当初、映画は4月3日の公開を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期に。その後、8月に9月4日の公開が発表された。

 4月の公開に併せて、3月に菅井と守屋に話を聞いていたが、カメラの前でグループに対する本音を独白することについて、菅井はスクリーンを通して「イメージを覆せればいいと思った」と語っていた。

 「メンバーとしてもキャプテンとしても、表に立って話す場面ではグループを守るためにキレイな言葉を並べなければいけない瞬間もあります。だからこそ、今回のドキュメンタリー映画では、なかなか話せない本音を伝えるべきだと考えていました。また、これまでは舞台裏を見せる機会が少なく、外から見られる自分たちの“ダークさ”といったイメージにギャップを感じていたので、その差が埋まればいいと願っています」(菅井)。

 彼女の答えに深くうなずいていた守屋も「批判はきっと飛んでくるはず」と覚悟を決めながら、撮影に臨んだと明かしてくれた。

 「私たちが本音を吐き出せば、賛否両論はきっと生まれるだろうと感じていました。これまでに一人でグループについてじっくりと語る機会もなかったし、ファンの皆さんから発言の一つ一つがどう思われるのかと、不安もありました。それでも、メンバー一人一人が改めてグループや自分と向き合えたはずだし、新章へ向かう節目になったと思います」(守屋)。

■互いに語るキャプテン・副キャプテンの役割

 2人でのインタビュー当時はまだ、改名についての発表はなかった。しかし、今年に入り平手をはじめ一期生の卒業が目立ったグループは、すでに岐路に立たされていた。そんな環境下でも、欅坂46のキャプテンと副キャプテンとして支え合い、お互いの印象を語っていた2人。守屋は、キャプテンとしての菅井の存在に言及していた。

 「互いの役割をしっかりと線引きしているわけではないです。一緒に活動する中で自然と決まっていき、私は、まとめ役となるキャプテンを支えられるよう、一人一人へ声を掛けながらメンバーごとの細かな変化に気付いてあげようと意識しています。友香は、行動だけ見ると天然に思われがちだけど、そんなことはなくて。話しているとすごく大人だし、物事を前向きに考えているからこの先も頼っていきたいです」(守屋)。

 彼女の言葉を受けて、はにかみながら「普段こんな話をする機会がないから」とつぶやいた菅井も、守屋への思いを語った。

 「先輩に乃木坂46さん、後輩に日向坂46のみんながいる中で、副キャプテンがいるのは私たちだけです。だから、茜の存在だけでも日頃から救われる場面があります。結成初期も、人見知りで周りに壁を作っていた自分と違い、茜は初めからフレンドリーにみんなと話していて。その姿を見て『タッグを組めたらきっと強い』と感じていたし、互いの絆が深まった今では、より強く支え合えているのが心強いです」(菅井)

■改名発表後、守屋が「予定していなかったのに手をつないでくれた」

 菅井と守屋の対談から約4ヵ月後。欅坂46は、7月16日にグループ初の無観客配信ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online,but with YOU!」を開催した。当日は、グループ最後の配信シングル曲「誰がその鐘を鳴らすのか?」を初披露したほか、5年間の活動に終止符を打ち、改名することも発表され注目を集めていた。以降の内容はその後、8月にリモートで行った菅井への単独インタビューである。

 無観客配信ライブではメンバーたちを背に、ファンへ向けて「グループとしてもっともっと強くなるための決断」として改名を発表した菅井。モニター越しに言葉をかみ締める様子も伝わってきたが、本人はその舞台裏を明かす。

 「本番2日前の夜、伝えたいことが込み上げた瞬間があり、思い浮かんだ言葉をノートに書き連ねていきました。すぐに整理して伝えられるものではないし、やはり、発表への責任を強く感じていたので。伝え方を少しでも間違えればファンの皆さんに強いショックを与えてしまうから、スタッフさんと相談して言葉を丁寧に選びながらスピーチの内容をまとめていきました。

 当日も、ステージ上では独特な緊張感がありました。自分たちにとって初めての無観客配信ライブでお客さんのリアクションが分からない環境だから、話しながらも『一方通行になっていないか』『悲愴感が出すぎていないか』と考えていたし、どうしたら今後への希望や期待を伝えられるかとも思って。でも同時に葛藤もあって、気持ちは固まっていたけど、実際に話してみると、いろいろな思い出や欅坂46が好きだという気持ちも込み上げてきました」。

 欅坂46として最後の新曲「誰がその鐘を鳴らすのか?」を初披露する直前には、ステージへ向かう階段で隣にいた守屋が「予定していなかったのに手をつないでくれて」と明かした菅井。「スピーチが終わって一番不安なとき」に、仲間のさりげないはからいを受けて「言葉を交わさずとも、同じ気持ちでいたんだ」と確かめられたという。

■改名後も「サイレントマジョリティー」は歌い続けたい

 改名後のグループの道筋は、今はまだ明かされていない。しかし、変わるものもあれば変わらないものもある。菅井は、欅坂46の未来に期待を込める。

 「私たちも未知な部分はたくさんありますが、欅坂46として歌い続けてきた思春期の葛藤や等身大のメッセージは表現し続けていきたいです。先日の無観客配信ライブでは、二期生で最年少の山崎天(崎は「たつさき」が正式表記)ちゃんの『大人は信じてくれない』のパフォーマンスが良かったなと感じて。年齢的にだんだんと大人になっていくメンバーがいる一方で、若さから来る爆発力みたいなものを発揮していってほしいなと思います」。

 これまでたくさんの曲を披露してきた中でも、デビューシングル「サイレントマジョリティー」について「自分たちの始まりの曲でもあったので、改名してからも繰り返し歌い続けたいです」と思いを込めた菅井。

 10月のラストライブに向けて、改名を控えながら欅坂46としての残りの時間を過ごす中では、8月21日にグループが結成5周年を迎えたことにも思いを巡らせる。

 「当日は、これまで当たり前に感じていた、グループの形が変わる直前の記念日だから今までとは違う感情もありましたし、思い出を忘れないようにしようと考えながら過ごしていました。大きな節目を迎えるまでには、自分たちの力だけではかなえられないこともたくさんありましたし、欅坂46に入って自分自身の人生も変わり、これほど熱中できる経験を支えてくれたメンバーやファンの皆さんに感謝しかないと思いました」。

 グループは活動を継続するが、ドキュメンタリー映画やラストライブを経て、欅坂46は歴史に幕を下ろす。インタビューの最後、そんな今だからこそ思う彼女にとっての“欅坂46とは何か?”を尋ねた。

 「私にとっては、夢の中にいるような時間でした。結成当時から『これが夢だったらどうしよう』と思う瞬間も多く、そんな時間に浸っていられたのはファンの皆さんがいてくれたからこそだと思います。自分たちの形は変わっていくけど、今のメンバーがそろったのも奇跡だったし、この先の人生でも絶対に忘れられません」。(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ヨシダヤスシ)

 映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』は、9月4日より全国公開。

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