『ブラック・イズ・キング』監督が語るビヨンセの“すごみ” 「彼女のハートを見た」

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『ブラック・イズ・キング』
『ブラック・イズ・キング』の共同監督を務めたクウィシー・フォージョー  提供写真

 第24回グラミー賞に輝いた、ビヨンセが脚本・監督・製作総指揮を務めたビジュアル・アルバム『ブラック・イズ・キング』が、ディズニー公式動画サービス「Disney+(ディズニープラス)」で配信中だ。ビヨンセのパフォーマンスとともに、黒人の歴史、体験を世界に届ける長編作品に仕上がった本作。共同監督を務めたクウィシー・フォージョーは、ビヨンセと仕事に取り組む中で「彼女のハートを見た」とその情熱に驚嘆。本作の誕生秘話や、ビヨンセのすごみについて語った。

■旅の始まりは? 「ビヨンセからのアプローチがあった」

 ビヨンセが昨年リリースしたアルバム『ライオン・キング:ザ・ギフト』の音楽をベースに、アルバムに関わったアーティストたちやスペシャルゲストも参加して作られた本作。本来の自分自身を追い求める現代の若者たちに、『ライオン・キング』の教えをビヨンセが伝えるもので、約1年の歳月をかけて製作された。

 フォージョー監督は「これは、僕たちが手がけた『ライオン・キング』のサントラに入っている『スピリット』のビデオから始まったんだ。その後、ビヨンセが僕たちにアプローチしてきて、追加でミュージック・ビデオをやりたいと言った。それが自然と映画になっていったんだよ」とプロジェクトの始まりを述懐。

 ビヨンセが慈愛に満ちた表情で歌うバラード「Bigger」で幕を開け、バリエーション豊かな楽曲、ダンスが、ある若き王の成長を映し出す。彼は裏切りや迷いを経験しながらも、先祖の導きにより運命と向き合い、王座を取り戻すのに必要な資質を身につけていく…。

 王の成長物語が“黒人の歴史”とリンクするという、壮大なストーリーが綴られることとなったが、フォージョー監督は「たくさんの監督が参加してくれたけれど、みんな、彼ら自身の経験をプロジェクトに持ち込んでくれた。それをもとに僕とビヨンセは、それぞれの歌から何を得たいのかを話し合っていったんだ」とプロジェクトに共鳴したスタッフ陣に感謝。さらに「ビヨンセがプロジェクトの先頭に立っているとき、いつもその仕事は魅力的なんだよ」とビヨンセのリーダーシップに惚れ込む。

■ビヨンセの情熱が作品へと昇華「彼女のハートを見た」

 ビヨンセが時に涙をこぼしながら、黒人の“誇り”や“立ち直る力”を訴える。そのパワフルなパフォーマンスが観る者を魅了するが、フォージョー監督は、彼女と仕事をする中で「彼女のハートを見た」と語る。

 「彼女はアーティストだから、仕事の中に彼女のハートを見ることができる。そして『ブラック・イズ・キング』のような仕事をする時、本当の彼女のハートを見ることができる。彼女がどういう人か、どれほど“セルフ・アイデンティティ=自己認識”について情熱を持っているかを見ることができるんだ」とビヨンセの情熱が作品に昇華されていったと語り、「僕も自分自身についてもっと学ぶことになった。それが映画に反映されていったんだよ」とその姿に刺激を受けたという。

 “セルフ・アイデンティティ”と口にしたフォージョー監督だが、本作の製作過程も“セルフ・アイデンティティ”と、「黒人の誇りを伝えたい」という意志を持った人々との“仲間意識”を確かめる機会となった様子。「本作には、ルピタ・ニョンゴやナオミ・キャンベルも参加してくれたけれど、みんなが“好きだ”という思いを持ち込んでこの仕事に取り組んでくれた。みんなが本作の放つメッセージのために、集まってくれたんだ。みんなの仲間意識の高さを見ることは、本当に素晴らしい体験だったよ」。

■日本の観客にメッセージ「この映画は進化についての物語なんだ」

 今年5月には白人警官による黒人殺害事件をきっかけに「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」と呼ばれる抗議運動が広がった。本作の送るメッセージは、BLMが訴える黒人の価値観ともリンクする。フォージョー監督は「僕らが本作の編集を終えようとしているときに、BLMに関する出来事が起き始めたんだ」と告白。人々が一つにまとまろうとする気運が高まる中でのお披露目となり、「この作品は、もっと必要性のあるものになったと思う」としみじみと語る。

 本作を通して「自分がどういった人間で、どこから来たのかということへの誇り」を伝えたかったというフォージョー監督。「そういったことは、あなたの人種とはなんの関係もない。でも、それはあなたの文化のあらゆることと関係しているんだ。それがこの映画だよ」と力を込め、「この映画は進化についての物語。僕たちはみな、本当の自分自身に進化していくんだ。そしてこの映画が描いているのは、一つの文化についてだけのことではない。自己認識についての普遍的なストーリーなんだ。この作品は文化を讃え、あなたの祖先に敬意を払う映画だよ」と日本の観客にメッセージを送っていた。

 『ブラック・イズ・キング』は、「ディズニープラス」で配信中。

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