欅坂46の“配信でしかできない”パフォーマンス コロナ禍の新しいライブの形になるか

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20200716「KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!」
「KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!」 撮影:上山陽介

 欅坂46が16日、無観客配信ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online,but with YOU!」を開催した。“改名”のことばかりが話題となったが、彼女たちが“無観客配信”でしかできないライブを見せてくれたのは間違いない。新型コロナウイルスの感染拡大により変化を余儀なくされるライブエンターテイメント界において、今後のライブイベントシーンを占うかのようなステージングやパフォーマンスが目立っていた。

■フレームの限界を感じさせない“奥行き”の演出

 グループにとって、当日は2019年9月18〜19日の2日間にわたり行われた「欅坂46 LIVE at 東京ドーム~ARENA TOUR 2019 FINAL~」以来、約10ヵ月ぶりとなる公演だった。しかし、コロナ禍では会場の多くの観客を集め、いたるところでコールが飛び交うような従来の公演は行えない。そこで彼女たちが見せたのは、無観客の会場を縦横無尽に駆け回るステージングだった。

 ライブの始まりを告げる「Overture」を背にステージへ向かったメンバーたちは、1曲目に「太陽は見上げる人を選ばない」を披露。MCを挟み、続いて歌い上げた「エキセントリック」の直前には、SEと共に会場後方から侵入してきたトラックが同曲でセンターを務めた土生瑞穂らを追いかけ、その後、一同に介したメンバーたちはパフォーマンスへと進んだ。

 さらに続いた「東京タワーはどこから見える?」では、上下3段に分かれた足場のセットに広がり、空間の幅や高さを最大限に活用。その後の「Student Dance」では曲に合わせた教室風のセットに段差を付けて、ウィズコロナの時代に合った見せ方として、限られたフレーム内でしか見られない配信という視聴環境下であっても、奥行きを感じ取れるような演出が施されていた。

■従来のフォーメーションに新たな形を加える

 会場内に設置された、いくつものセットを生かしていた一方で、従来の形を彷彿とさせるシアトリカルなフォーメーションやダンスでも魅せてくれた欅坂46。ソーシャル・ディスタンスが懸念される時代ではあるが、瞬間ごとの動きで可能な限り回避しようとする工夫を見せていた。

 ライブの定番曲である「アンビバレント」では、観客のいない客席をステージに代えたメンバーたちが踊り始めたのち、途中の場面では、一人で前に出たセンターの小池美波がカメラを独占。メンバーたちを背にしながら、カメラ目線のままレンズを手で払いのける小池のパフォーマンスは迫力があり、観客が彼女たちの視線を独占できる配信ライブならではの醍醐味(だいごみ)を感じさせてくれた。

 やがて終盤へとさしかかり、7曲目の「大人は信じてくれない」では炎に囲まれて赤く照らされたステージの上で、センターを務めた山崎天(崎は「たつさき」が正式表記)を中心とするフォーメーションを披露。

 その後は「避雷針」や「風に吹かれても」と続き、次の曲である「ガラスを割れ!」では、アレンジされたイントロに乗りMVの衣装へと着替えた小林由依を中心にしたメンバーたちが、曲中で1人1人マイクスタンドを握りしめ、中央の小林を囲むような円形の新たな形のフォーメーションで見せた。

 そして、菅井のあいさつによりグループは10月の公演をもって終止符を打ち、改名で再スタートを図ると発表。最後に、8月に配信される欅坂46としての最後の新曲「誰がその鐘を鳴らすのか?」を披露して、この日のライブは幕を閉じた。

 ソーシャル・ディスタンスの距離感など、ライブエンターテイメント界はとりわけコロナ禍での変化を模索し続けている印象もある。欅坂46が見せたパフォーマンスは無観客配信だからといって、決してその強度が劣るものではなかった。現在の限られた条件下でできる新しいライブの形を見せてくれたのではないだろうか。

 今回、欅坂46が行った無観客配信ライブは今後、その試金石として必ずや語り継がれるはずである。(文:カネコシュウヘイ)

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