米アカデミー賞直前! ジョーカー、パラサイト、ブラピ…今年は作品&演技部門で“初”に期待

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【コラム】米アカデミー賞直前! ジョーカー、パラサイト、ブラピ…今年は作品&演技部門で“初”に期待 
米アカデミー賞直前! ジョーカー、パラサイト、ブラピ…今年は作品&演技部門で“初”に期待   写真提供:AFLO

 日本時間10日に米ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される第92回アカデミー賞授賞式が、いよいよ目の前に迫った。今年の授賞式は、作品部門、演技部門ともにいくつか新しいことが期待できそうだ。

■今年はメジャーなヒット作がずらり

 まず、作品部門からは作品賞。オスカーは、長年、一般アメリカ人にあまりなじみのないインディーズ映画で支配されてきている。昨年の『グリーンブック』はメジャースタジオ作品だったが、授賞式時点でアメリカでの数字はかぐわしくなく、ヒットと呼べるレベルではなかった。その前の『シェイプ・オブ・ウォーター』『ムーンライト』『スポットライト 世紀のスクープ』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『それでも夜は明ける』も、通好みのアート系作品。しかし、今年は一転して、作品賞のノミネートがメジャーなヒット作ぞろいなのである。

<作品賞ノミネート>
『フォードvsフェラーリ』
『アイリッシュマン』
『ジョジョ・ラビット』
『ジョーカー』
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
『マリッジ・ストーリー』
『1917 命をかけた伝令』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
『パラサイト 半地下の家族』
 
 DC映画史上初の作品賞へのノミネートとなった『ジョーカー』は世界興収1000億円超えの記録的ヒットだし、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『フォードVSフェラーリ』『1917 命をかけた伝令』も、アメリカで100億円を突破した。『パラサイト 半地下の家族』も、北米だけで約36億円という、外国語映画としては異例の成績を打ち立てている。つまり、今年は、視聴者が知っている作品が競い合うということ。それが視聴率向上につながるかどうかが注目される。

 さらに、『パラサイト 半地下の家族』は、国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)以外でも大健闘する可能性があるのだ。外国の作品が6部門(作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、美術賞、国際長編映画賞)で候補入りすること自体が初めてだが、先日発表された全米脚本家協会賞(WGA)で、オリジナル脚本賞を受賞しており、オスカーでもこの賞を受賞することはありえる。さらに、アワードエキスパートには、監督賞も同作が抑えると見る人が少なくない。国際長編映画賞受賞だけでも韓国映画としては初めてとなるが、これらの賞も制覇すれば、歴史的瞬間となるだろう。

■演技部門のノミネートはまたもや白人だらけ

 6部門のノミネートを獲得した『パラサイト 半地下の家族』だが、残念なことに、演技部門(主演・助演男優/女優賞)にはいっさい入っていない。先日の全米映画俳優組合賞(SAG)で、最高賞にあたるキャスト賞を受賞しただけに、なおさらアカデミーとしては面目なしといったところだ。

 ここで同作の主演ソン・ガンホが入っていればよかったのだが、そうならなかった結果、今回の演技部門ノミネートの20人のうち白人は19人で、「#OscarsSoWhite」時代にほぼ逆行することになってしまっている。

 受賞結果が“真っ白”になるのを避けるためには、主演女優賞ノミネートに食い込んだシンシア・エリヴォ(『ハリエット』)に受賞してもらうしかない。この部門はレネー・ゼルウィガー(『ジュディ 虹の彼方に』)で決まりと思われているものの、レネーには受賞歴があるのに対し、シンシアは受賞すればこれが初となる。さらに、彼女が取れば、EGOT(エミー、グラミー、オスカー、トニーをすべて受賞した人)がまた増えることになり、エキサイティングだろう。

■ブラピとホアキンに期待

 ファンとしては、今年、助演男優賞にノミネートされたブラッド・ピット(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)がようやく演技部門で受賞しそうなのも、楽しみな部分だ。プロデューサーとしても優秀な彼は、すでに『それでも夜は明ける』でオスカー像を手にしているが、俳優としてもオスカーをもらうに十分ふさわしい。

 同様に、ずっと演技派として尊敬されてきたのに、今まで一度も受賞していない主演男優賞ノミネートのホアキン・フェニックス(『ジョーカー』)がいよいよそのチャンスを得たことにも、胸がときめく。この2人はまた、最近の授賞式で、人柄の表れた、心のこもった受賞スピーチをしており、“本番”で何を言うかを聞きたいがために、彼らに票を入れたいという人もいるのではないかと思われる。そんな期待に反しない素敵なスピーチをしてくれることを楽しみにしたい。(文:猿渡由紀)

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