中山美穂、音楽活動再開への思い「やっとここまでたどり着いた」

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来年デビュー35周年を迎え、音楽活動を再開する中山美穂
来年デビュー35周年を迎え、音楽活動を再開する中山美穂  クランクイン!

 来年、デビュー35周年を迎える中山美穂が、約20年ぶりとなるニューアルバム『Neuf Neuf(ヌフ ヌフ)』を12月4日に発売する。新録セルフカバー4曲+新曲4曲(本人作詞1曲・本人作曲インスト1曲)の計8曲で構成され、マルチ弦楽器奏者の高田漣が全楽曲をアレンジ。音楽活動再開に「やっとここまでたどり着いた」と言葉をかみしめる中山が、本アルバムに込めた思い、そして女優業との両立について思いを語った。

■きっかけは今年3月、浜崎貴司対バンライブへの出演

―20年ぶりに音楽活動を再開することを決めたきっかけを教えてください。

 特に20年間、封印していたわけではなく、もしチャンスがあるなら、ライブでも、アルバム制作でも、なんでもいいから「音楽に携わりたい」という望みは持ち続けていたんです。でもなかなかきっかけがなく、実現に至りませんでした。そんな時に、ドラマ(1994年『もしも願いが叶うなら』)の共演で親交のあった浜崎貴司(FLYING KIDS)さんから、「対バンライブがあるんだけど、やってみない?」と声をかけていただいたんです。

 今年の3月にそのライブが実現して、それをレコード会社の方が観に来てくださって、「何かやってみようか」という流れになっていった感じですね。

―久しぶりのライブ出演を決断するのはかなり勇気がいったのではないですか?

 それはもう、かなり迷いました。「すごいやりたいけど、私できるのかな」って。でも浜崎さんの音楽が大好きでしたし、曲も作っていただいたこともあったので、「こんなチャンスはめったにない!」と思って出演することに決めました。ただ、このライブは弾き語りで歌うスタイルなので、本番の日まで、毎日泣きながら必死にギターの練習に明け暮れました(笑)。ライブは本当に最高で、温かい雰囲気でした。観客の方がみんな泣いていたので、私も堪えるためにみなさんと目を合わさないようにしていました。

―なるほど、そこから火が着いてアルバム制作の話に発展したわけですね。

 普段から「音楽をやりたい!」ということを周りに発信していたので、その思いをくみ取って、ライブに誘ってくれた浜崎さんには、本当に感謝しかありません。このライブによって、全てが動き始めたわけですから。

■軽やかなシティポップで新たな魅力が開花

―今回のアルバムは、とても軽やかで、中山さんの歌声に合わせた聴き心地のいいシティポップに仕上がっていました。高田さんにアレンジをお願いした経緯を教えてください。

 私の中でアルバムを制作するときに、どこか懐かしさも感じられるけど新しい音楽をイメージしていました。そして、レコード会社の方に薦められて高田さんの新しいアルバムを聴いた時に「これだ!」と思ったんです。実際にお会いした時も、高田さんが「シティポップみたいな感じでやりたい」とおっしゃっていたので、思いが合致した感じでした。

―セルフカバー、新曲と計8曲収録されていますが、曲選び、構成などはどのような流れで決まったのでしょうか?

 最初からガチガチに構成が決まっていたわけではなくて、1曲1曲選びつつ、やりながら流れを作っていった感じですね。セルフカバーに関してはスタッフ全員で一生懸命考え抜いて4曲(「C」「色・ホワイトブレンド」「You’re My Only Shinin’Star」「ただ泣きたくなるの」)を選びました。マストな感じの曲でもある「世界中の誰よりきっと」が入っていなかったりしますが、そこは「あえて」というか…。

―セルフカバー曲はアレンジがかなり違いますが、久々に歌ってみてどんな気持ちになりましたか?

 カバーというよりも、新曲を歌っているような感じでした。懐かしいという気持ちは全くなかったですね。十代の頃から割と大人っぽい曲を歌っていたので、今聴いても、今歌っても、ぜんぜん違和感がないというか。でも、レコーディング自体は大変でした。20年も経つと、スタジオや技術も変わっているし、私自身も昔のように「やり切りたい」「出し切りたい」という焦りも出てきて…。高田さんからOKが出ても、自分自身で納得がいかないと「もう1度、録り直したい」と直訴することもありました。

―新曲の「時計草」では作詞にも挑戦されていますが、何か特別な思いが込められているのでしょうか?

 時計草という花が大好きで、なぜか見ているだけでイマジネーションが湧いてくるんです。ただ、歌詞自体に何か特別な意味を込めているわけではなくて、むしろ、メッセージ性の強いものは避けたかったんです。だから、「音」として言葉を気楽に楽しんでいただいたり、聴いてくださる方それぞれの思いで解釈していただいたり、自由に捉えていただいていいと思います。

―「君のこと」という曲は、3月のライブでも歌っていますよね。この曲はどういう経緯でできたのですか?

 お仕事とは全く関係なく、歌詞を自分で書いたり、お友だちのミュージシャン に作ってもらったり、ライブの予定もないのにバンドメンバーを集めてリハーサルをしたり、プライベートでは音楽を続けていたんです「君のこと」もその流れの中で、3年くらい前に忘れらんねえよの柴田(隆浩)くんに作っていただいた曲なんです。

 もともと私が出演した舞台『魔術』(2016)の客入り、客出しの時に、忘れらんねえよの曲がずっと流れていて、すごく気に入って。そこから親交が始まったんですが、とても温かい曲を書いてくれまして、ライブで歌ったのですが、それがまたすごくよくって。ぜひ、今回のアルバムに入れたいなと思いました。

■「女優業」と「音楽活動」の両方があって“中山美穂”

―来年はデビュー35周年、そして3月1日の自身の誕生日には中野サンプラザでのバースデーライブも控えていますね。

 3月のライブに関しては35周年だからというよりかは偶然でした。「中野サンプラザが無くなる(老朽化のため建て替え)」という話を聞いて、「それだったら、最後にもう1度歌いたい!」と思って施設に聞いたら、誕生日の3月1日が空いていたので、「それじゃやろう!」ということになって。でもそれからはもう、バンドメンバーのモチベーションもかなり上がって、すでに本格的なリハーサルを始めています。内容は、お誕生日パーティーというか、お祭り的な感じで、ファンのみなさんが聴きたい曲をできるだけやりたいと思っています。

―35年を振り返ってみて、何か胸に去来するものはありますか? 

 いやもう、びっくりですよね(笑)。当時はとにかく音楽もお芝居も無我夢中でやっていたので、振り返ってみても、あまり懐かしさとかは感じないんです。ただ、途中から音楽が抜けて、お芝居だけになって、しばらくバランスの取り方がわからなくなっていた時期がありました。もう音楽活動はできないと思っていたので、やっとここまでたどり着くことができて、今は喜びでいっぱいです。

―「女優業」と「音楽活動」、それぞれに魅力や醍醐味があると思いますが、中山さんにとって違いはなんですか?

 とてもぜいたくだと思いますが、両方やれることでちょうどバランスが取れていたと思うんです。女優に関しては、与えてくださった役に対して全力で応えていきたいので、自分というものをなるべく消したいんです。基本的に作品と監督と脚本が素晴らしければ、どんな役でもその作品の一部になれるだけでうれしいし、それは今も昔も変わらないスタンスです。逆に音楽は、自分をストレートに表現できるものなので、「私はこれをやりたい!」という思いがはっきりとしています。

 特にライブを1度経験すると、「ずっと歌っていたいなぁ」って思っちゃうんです。私の音楽好きを知っているお友だちからは、「美穂ちゃんって、パンクだよね」ってよく言われるんですが、それぐらい音楽に対してはクレイジーなところがあるかもしれません(笑)。

―中山さんの音楽への “WAKU WAKU”がとても伝わってきました(笑)

 今回のアルバムやバースデーライブが次へのきっかけとなって、例えばライブハウスでやるとか…音楽活動が続けられるといいなと思います。(取材・文:坂田正樹/写真:松林満美)


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