ピアニスト清塚信也、『アナ雪2』のチャレンジングな楽曲を絶賛!「音楽家として勇気をもらえる」

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【TOPパネル・二次使用不可】『アナと雪の女王2』清塚信也
『アナと雪の女王2』を鑑賞した清塚信也にインタビュー  クランクイン!

 2014年3月に日本で公開されたディズニーアニメーション映画『アナと雪の女王』は、興行収入254.8億円を記録し、日本歴代3位の興収を記録する大ヒットを遂げた。そして待望の新作『アナと雪の女王2』がいよいよ公開。初日3日間で前作の2倍以上の興行収入、観客動員を記録するなど、早くも“アナ雪”旋風が巻き起こっている。作品をいち早く鑑賞したピアニスト・清塚信也が、最新作の魅力や、なぜ『アナ雪』が圧倒的な支持を受けるのかを音楽家の視点から紐解いた。

 鑑賞後、開口一番「前作の大ヒットに縛られることなく、すがすがしいほど王道の音楽を用いつつ、しっかり個性的な曲で勝負しているのが、音楽家として尊敬します」と前作同様、音楽を担当したクリステン・アンダーソン=ロペスとロバート・ロペスに敬意を表する。

 世界中で大ヒットした前作。その音楽的評価は高く、観客も『アナ雪』にイメージしている楽曲を期待するなか、あえてまったく違うアプローチ方法で曲を作り上げた意欲に強く共感したというのだ。

 特にメイン楽曲である『イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに』には脱帽したようで「前作の『レット・イット・ゴー~ありのままで』があれだけヒットしたので、作り手としては踏襲しがちなのですが、アナとエルサの二人の絆や愛、強さという共通点をしっかり根底に置きつつ、カラーとしてはまったく違う音楽で勝負しているんです。すごく勇気のいること」と大絶賛する。

 具体的には「メロディが甘すぎず、サビも非常に勇ましい。音程感も鋭く、精霊の歌声がマイナーコードで悲しい。普通なら暗くて重くなりがちなのですが、ポップで前向きな楽曲になっている。サビについても第1段階から第3段階まで、少しずつ音程感が広がっていて、活力があるんです」と楽曲の素晴らしさを挙げる。さらに「『レット・イット・ゴー~ありのままで』が口ずさんでしまう魅力がある曲ですが、『イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに』は脳内や心でリピートされるような曲になっている」とニュアンスの違いを語っていた。

 また作品全体の楽曲に対しても「登場するキャラクターごとにジャンルの違う曲があてがわれているので、見ていてすごく分かりやすい。しかも前作の歌やメロディがアレンジされて劇伴になっているのも、映像だけでなく臨場感を盛り上げるのに一役買っているんです。まさに音楽の到達点のようなクオリティです」と称賛が尽きない。
 
 なぜ『アナ雪』は多くの人の心をつかんでいるのだろうか――。こんな問いに清塚は「退屈しないから」と端的に答える。続けて「ものづくりをしている人間として、現代社会においてもっとも考えなければいけないのが“退屈な時間を作らないこと”なんです」と断言する。そこには気軽に次に進める動画コンテンツの影響があるという。
 
 「いまの人たちは退屈な時間を好まないんです。もともとものづくりをする際、退屈という言い方が正しいか分かりませんが、山場に持っていくためには、ある程度単調な時間も演出上必要なんです。でもそこが我慢できない。でも『アナと雪の女王』は、退屈なところが一切ないんです。普通音楽が区切りになって場面展開していくと、やや不自然なところが出てきてしまいがちなのですが、先ほども話したように、うまく前作のメロディが使われているなど、緊張感が持続するんです。物語、キャラクター、そして歌のバランスが素晴らしい。総合芸術として完璧に近いものという感覚です」。

 音楽家として、嫉妬してしまうほどの刺激を受けたという『アナと雪の女王2』。清塚は「小手先のうまさではなく、王道で勝負する心意気は、僕自身の創作活動にも勇気を与えてくれました」と作品との出会いに感謝する。続けて「だからこそ、何度でも観られるし、長く廃れない作品なんだと思います」と本シリーズの持つ潜在能力の高さを強調していた。(取材・文:磯部正和/写真:高野広美)

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