佐藤寛太「お利口さんにはできないけれど」 “座長”としての意識の変化

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映画『いのちスケッチ』佐藤寛太インタビューカット
映画『いのちスケッチ』佐藤寛太インタビューカット  クランクイン!

 2015年に劇団EXILEに加入し、『HiGH&LOW』シリーズ、主演映画『イタズラなKiss THE MOVIE』(美沙玲奈とのダブル主演)、ドラマ『僕の初恋をキミに捧ぐ』(テレビ朝日系)など、順調にキャリアを築いている佐藤寛太。初の単独主演映画『いのちスケッチ』では、夢に破れて地元・福岡に戻り、動物福祉を目指す“延命動物園”でアルバイトをはじめたことから、多くの出来事を経験していく主人公を演じている。そんな佐藤が、動物と触れ合う本作で感じたことや、今回あらためて背負った主演という役割への意識の変化を語った。

 「僕自身、福岡で育ったので、地元で主演映画を撮れるのは、とてもうれしかったですし、親孝行にもなると思いました」と今回のオファーの喜びを語る佐藤だが、劇中で「延命動物園」として登場する大牟田市動物園のことは知らなかったという。

 「行ったことはありませんでしたし、動物福祉と聞いても、ピンとこなかったのが正直なところです。でもこの作品を通じて、なるべく動物にストレスをかけないで生活してほしい、麻酔や薬品に頼らずに、動物の力を借りながら協力しながら、採血したり体重を量ったりして健康をチェックしようといった取り組みを知って、本当に素晴らしいと感じました」。

 そんな動物園での撮影だからこそ、特別な準備も必要だった。

 「なによりも、撮影で動物たちにストレスを与えないようにすることが大切でした。なので、クランクインする2~3週間前から通って、僕たちに慣れてもらう作業から始めました。掃除をしたり、とにかく動物園にいるようにしたり。実際に撮影が始まってからも、ずっと動物園にいました」。

 撮影中にも、実際に命と向き合う出来事があったという。

 「イヌワシが亡くなったんです。寿命でした。そのときの飼育員さんたちの姿が印象に残っています。ある意味さらっとしているというか、強さみたいなものを見ましたし、生と死の両方をずっと肌で感じている職業だからこその受け入れ方だと感じました」。

 演じた亮太に関しては「甘えん坊」と感想をもらす。「挫折して帰郷するのですが、焦燥感に駆られているわけでもなければ、普通に親を頼っていったりする。社会に対する危機感がまだない。どこか楽観的で、だけど普通にいそうな青年だと感じました。彼は不器用なままだし、まだまだ甘えん坊だけれど、でもなにかひとつ成長したかなと感じます」。

 そんな、決して強いわけではない、どこにでもいそうな青年だからこそ、彼の経験する出来事が、観る側の心にもすっと入ってくる。

 ついつい助けてあげたくなる空気を放つ亮太。一方、目の前の佐藤は、とてもハキハキと、明確に自分の考えを話すしっかりとした青年だ。単独主演は初だが、ダブル主演を務めた、まだデビューしたてだった『イタキス』の頃とは、自分の中に“違い”を感じたと振り返る。

 「ここ数年では、『走れ!T校バスケット部』(2018)で、同世代だけど座長としてみんなを引っ張っていく志尊淳くんの姿を見たり、ドラマ『駐在刑事』(テレビ東京系)で寺島進さんならではの座長としての立ち振る舞いを見させていただいたりして、作品の中での座長の在り方を感じてきました」という佐藤。「戦国武将じゃないけれど、現場の士気を上げる存在だし、座長の言動ひとつで作品の良し悪しが変わることもある」と、主演の役割の重要性を痛感したことを明かす。

 「僕はお利口さんにはできないけれど、でも作品への熱意は一番持っていることがみんなに伝わるようにと、挑ませていただきました」と述懐した佐藤。「今しか出せない自分の色が、この映画に出ていたらいいなと思っています。常に全力で向かっていますが、これからも、もっとできる自分になりたい、もっとできるはずだと思っています」と目を輝かせていた。(取材・文:望月ふみ 写真:高野広美)

 映画『いのちスケッチ』は本日11月8日より福岡県先行公開、11月15日より全国公開。

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