中山美穂 「いまは鏡も見ない」 格好つけたがりの自分からの脱却

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映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』中山美穂インタビュー
映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』に出演する中山美穂  クランクイン!

 近年、意欲的なキャラクターに挑み続けている女優・中山美穂。映画『蝶の眠り』では老いに向き合う女性、ドラマ『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』では娘の婚約者と禁断の恋に落ちる主婦を演じた。最新作映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』でも、松尾スズキが描くカオスな世界観のなか、体当たりの演技を披露している。年を重ねるごとに「楽しさが増している」と笑顔で語る中山の充実ぶりに迫る。

 大人計画の主宰・松尾が監督、脚本、主演を務めた『108~海馬五郎の復讐と冒険~』。中山は、松尾演じる売れっ子脚本家・海馬五郎の妻で元人気女優の綾子を演じる。物語は、綾子の浮気らしきことが赤裸々につづられたSNSを発見した海馬が、その復讐(ふくしゅう)のために、綾子のSNSの「いいね!」の数である108人の女性と不貞を繰り返すさまが、コミカルかつスリリングに描かれる。

 中山は「脚本を読んだとき、なんて世界なんだろう」と驚いたという。松尾の行動はもちろん、中山自身もコンテンポラリーダンサーとの情事を含め、ハードなシーンも多数出てくる。しかし「とにかく松尾ワールド全開で面白い脚本。ぜひやらせてほしい」とまったくためらいはなかったという。

 経験のないことに対する不安よりも、新しい自分に出会えるかもしれないということに素直にワクワクするという感覚。中山が演じた綾子という役柄も「脚本を読んだとき、自分なりのつたない想像で綾子という人物の全体像を思い描いていたのですが、それをはるかに超えるような現場で、出来上がった映像も、ぶっ飛んでいました。こんな映画観たことない。こんな作品に出演させていただきありがたい」と満足そうに語る。

 近年の中山を見ていると、人生を「楽しもう」と努力しているのではなく、心から楽しんでいるように感じられる。どうしてそう見えるのか――。「周囲から自分がどう映るかまったく気にならないんです。最近は鏡も見ていないかも(笑)」と明快に説明する。

 「周囲を気にしない」と言葉で言うのは簡単だが、実行するのはなかなか難しい。「以前はええ格好しいというか、人に良く思われたいという気持ちはあったのですが、そのことで緊張をしてしまったり、言い訳をしてしまったりと、自分にとってあまりいいことがなかった。だからいまは理想も持たないし、人の目も気にしないんです」。

 「ゲラゲラ笑えますよね」と作品を観た感想を述べた中山。そんな作品の一部となれたことを「こんなにうれしいことはない」と目を輝かせる。続けて中山は「自分が携わった作品によって人の心が動いて、なにか行動のきっかけになる。それがこの仕事の醍醐味(だいごみ)です」と語る。

 来年、50歳という年齢を迎えるが、「もっともっと楽しめそうな予感がします」と未来に思いを馳せていた。(取材・文:磯部正和 撮影:高野広美)

 映画『108~海馬五郎の復讐と冒険~』は10月25日より全国公開。

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