草なぎ剛はこだわらない! ノープランを楽しむ仕事術

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草なぎ剛、『台風家族』インタビュー
草なぎ剛、『台風家族』インタビュー  クランクイン!

 映画『台風家族』で久々の長編映画主演を務める草なぎ剛。映画、舞台などこれまで数々の作品に出演し、その演技力を高く評価される一方で、歌手活動からYouTuberまで多彩な活動をするがゆえに「自分は決して“役者”ではない」とも。そんな草なぎが作り上げてきた仕事への向き合い方とは? 映画公開を前に話を聞いた。

 「新しい地図」が始動して約2年。現在の職業・肩書は? という質問にしばし思案しつつ「その手の質問は昔からされるんですが、いまはグループもないし、“新しい地図”はコミュニティのようなもので、グループ名ではないんですよね。かといって専任の役者でもないし、歌手でも司会者でもないし…困ったもんですね(苦笑)。一番時間を割いているという意味ではYouTuberですかね?」と冗談めかして語る。

 この男、“ルール”というものにしばられない。「僕らの仕事の多くは、オファーをいただいて初めて成り立つもの。僕らと一緒に仕事をしたいと声を掛けてくださる方とできればそれでいいし、それが役者であれ歌手であれ何でもいい」と語る。

 出演作品を選ぶ際も重視するのは「直感」――。あまり脚本を読み込まず、どんな人物を演じるのかさえも確かめずに受けることも珍しくない。

 「今回の映画は(『クソ野郎と美しき世界』でも共演した)尾野真千子ちゃんが出ると聞いて、読む前に『やる』と言いました。作品によっては、共演者が誰かも知らずに現場に行くこともありますよ。不真面目に聞こえるかもしれないけど、僕は大真面目にそういうスタイルでやっているし、そんな状況を楽しんでます」。

 役作りに関してもそうした姿勢は変わらない。いや、そもそも役作りという概念自体、彼の中には存在しないのかもしれない。10年前に銀行強盗で世間を騒がせ、そのまま行方知らずとなった両親の財産分与のために久々に集まった4人のきょうだいの姿を描く映画『台風家族』で、草なぎが演じたのは、ケチで強欲な長男・小鉄。草なぎのパブリックイメージとはかけ離れた役柄と言えるが、どのように役を作り上げたのだろうか。すると、あっさりと「ノープラン!」という答えが返ってきた。

 「変に準備しないで自分の中に余白を持っておいた方が、監督の言うことを受け入れられるんじゃないかなと。僕が変に『こうやりたい』という意思やこだわりを持つと、そこで相違が生まれちゃうし、変えるのが難しくなる。一番の準備、役作りは早く寝ることです(笑)。睡眠をきちんと取って、自律神経を整えないと滑舌もよくならないし、変な部分が気になっちゃったりするんですよ。だから普段から僕は夜10時には寝るようにしてるし、撮影で早く起きなくちゃいけない場合は、それに合わせてさらに早く寝てます」。

 あらかじめ固定せず、現場で生まれる空気感や勢いを大切にする――。それはライブや舞台で培ってきた独自のスタイルと言える。

 「(アイデアやアドリブは)カメラが回っているときに思いつきますね。それも最初から決めていたらつまんない。ちゃんと役柄を作りこむのが本来の役者なのかもしれないけど、僕は役者じゃないし、そのままそれが当たり前でやってきました。そこで自分が予想だにしない自分と出会ったり、思いもよらない感情を発見できるんです」。

 “新しい地図”どころか、地図さえ持たない旅路を楽しんでいるかのように見えるが、それは何より周囲への信頼があるからこそ。

 「現場に行けば監督も共演者もいるし、小道具やセットもある。ほかの仕事に関しても、僕のところに話が来る時点で、僕のことをよく知るマネジャーが考えてくれているわけですから。地図を持ってないわけじゃないけど、舵を取る人がいるので、信頼しています」。

 自由と信頼を武器に、草なぎの旅は続く。(取材・文:黒豆直樹 写真:松林満美)

 映画『台風家族』は9月6日より3週間限定公開。

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