ジェームズ・マカヴォイも「NO!」 一般人に声をかけられた驚くべき場所とは…

映画
映画『世界の涯ての鼓動』
映画『世界の涯ての鼓動』場面写真 (C)2017 BACKUP STUDIO NEUE ROAD MOVIES MORENA FILMS SUBMERGENCE AIE

 『X‐MEN』シリーズで知られるジェームズ・マカヴォイが、『エクス・マキナ』(2015)、『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(2018)のアリシア・ヴィキャンデルと共演した、巨匠ヴィム・ヴェンダース監督作『世界の涯ての鼓動』。本作で、爆弾テロを阻止しようとする諜報員を演じたジェームズに、ヴェンダース監督やアリシアの印象、俳優としてのスタンス、さらに有名人ならではの仰天エピソードなどを語ってもらった。

―― ヴィム・ヴェンダースから本作で声がかかったことに驚いたそうですが。

 この映画をめぐって一度会った際、彼はあまりしゃべらず、僕が1人でしゃべる感じだった。45分もね。僕は内心、「自分はこの役をもらえないんだろう」と思った。それで最後に「役をいただけたらうれしいですが、そうじゃなくても気にしませんので、お気を遣わずに。ご無事にベルリンにおかえりください」と言った。だから次の日に電話をもらったとき、驚いたんだよ。

―― ヴェンダース監督の印象をお聞かせください。

 リラックスしているね。実は撮影中、彼はプライベートでもビジネス面でも大変なことに直面していたんだ。映画のお金のことでね。だけど彼は決してギスギスしなかった。常に落ち着いていた。僕はそこがすごいと思う。経験が豊かだからだと言ってしまうのは簡単だけど、それだけじゃないよ。

―― 今作をやりたかった理由は何ですか?

 頭が良く、それぞれが自分の哲学や信念を持ち、かつ知識の深い2人の人間のラブストーリーというところが気に入ったんだ。彼らの会話には、常に、彼らしい考え方が垣間見える。そういう会話は恋愛映画にいつも出てくるものではない。そこは難しい部分だが、だからこそ興奮を感じた。

―― 共演したアリシア・ヴィキャンデルの印象はいかがでしたか?

 アリシアはアメージングな女優だ。彼女はいつも自分なりのアングルを持って役に挑む。いい役者は誠実で、真実に迫ろうとするもので、彼女はまさにそう。そして毎回、微妙に違うことをやるんだ。それが彼女をただ優秀なだけでなく、興味深い役者にしているのさ。それはすごくプロフェッショナルなことだと思う。彼女はとても仕事熱心で、周囲の人間をも同じ気持ちにさせてしまうほどだよ。


―― 彼女とはすでに知り合いだったそうですが、ラブシーンはやりやすかったですか?

 それほどよくは知らなかったんだよ。マイケル(・ファスベンダー)を通じてちょっと知っていたくらい。ラブシーンをやりやすくしてくれるのは監督だ。いくら仲良しの相手でも、誰かが現れて「よし、君たちはこれからセックスをする」と言われたら、気まずいものだよ。映画の現場でそれを言うのは監督。それをやりやすくする環境を作るのも、監督。安全で自由で楽しい雰囲気なのか、気まずいのか。普通はその中間くらい。完全に自由で安全ということはなかなかない。普通はかなり緊張感がある。

―― 今作で演じられたジェームズは大変な経験をしますが、演じるのは大変でしたか?

 そうだね。とくに拘留されているシーンは大変だった。別の映画でも、僕は埋められたり、吊るされたり、攻撃されたりしてきたけれど、そういうのには精神的な影響を受ける。今回は、撮影が始まる前から「これらのシーンの日はすごくきついだろうな」ということは分かっていた。でも、そう思う気持ちは正しい。キャラクターはそういう状況にあるんだから。その気持ちを演技に使わないといけない。

――ジェームズは仕事に強い情熱を持っています。あなたの仕事への向き合い方にも重なるところはありますか?

 そうだよ。僕の仕事は彼のように生きるか死ぬかではないが、この仕事は好きで、情熱を持ち続けている。

 毎年、映画のチケットはものすごくたくさん売れる。それはつまり人々が、誰かが誰かを演じているのが観たい、ということだ。その人たちが恋に落ちたり、何かを語るのが見たいんだよ。人類は、ずっとずっと昔からそれをやってきた。コミュニケーションというものが生まれたときからね。僕らに必要なことなのさ。

――メディアに出演されることも多いと思いますが、言ったことと違うことが見出しになってしまって困った、といった経験はありますか?

 ああ、あるね。出演作のためにたっぷりとインタビューを受け、その映画についてものすごく語ったのに、ひとことだけバカバカしいことを言ったら、それが見出しになったりね。言ったときは明らかにジョークだと分かる雰囲気だったのに。それにはがっかりさせられるね。そういうことがあると、俳優は「じゃあ、もう面白いことは何も言わないようにしよう」となりがちだ。「自分はすごくつまらない奴になってやろう」と。

 でも僕はメディアを攻撃しようとは思わない。だって、すごく面白い見出しだから読んでみたら大したことない内容だったというのは、いつだってあることじゃないか。

――ちなみに、自分に関してこれまでに読んだ最もバカバカしいことは何ですか?

 僕がブラッド・ピットからアンジェリーナ・ジョリーを奪おうとしていた、というやつかな(笑)。あれは笑えたよ。

――自分が出た映画の批評は読みますか?

 映画が成功していたら、読むな。コケたら読まない(笑)。基本的に、自分に関することはあまり読まないようにしているんだ。

――これまでで、一般人に声をかけられた最も変な場所はどこですか?

 手術の直後だね。麻酔から覚めたらドイツ人の医師から「あなたはあの映画に出ていた人ですか?」と言われた。「一緒に写真を撮ってくれますか」と言われたから「NO!」と言ったよ(笑)。(取材・文:猿渡由紀)

 映画『世界の涯ての鼓動』は8月2日より順次公開。

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