キャリア20年目の志田未来、女優としての覚悟を決めた“ある人”の言葉

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志田未来インタビュー 201907
『監察医 朝顔』に出演中の志田未来  クランクイン!

 26歳にして、キャリア20年目を迎えている志田未来。もう10年以上前の作品にもかかわらず、『女王の教室』『14才の母』などの印象は深く、人々の脳裏に焼き付いており、松岡茉優、杉咲花など、志田を憧れの存在に挙げる若手女優も少なくない。今クールの月9ドラマ『監察医 朝顔』では、周りの空気を読まずに思ったことをすぐ口にする医学部生という、これまでにない役柄で新たな境地を見せている。

 上野樹里主演の『監察医 朝顔』(フジテレビ系/毎週月曜21時)は、“死”と向き合う者たちを描くヒューマンドラマ。法医学者の朝顔(上野)が、死因不明の遺体の、“生きた証”を見つけることで、残された生きている者たちの心を救っていく。

 「親子の愛が描かれていて、震災のことにも触れられていて、その中で『死』をテーマに扱っている作品。患者さんを治療するのではなく、亡くなられた人を前に『命』と向き合うというのが普通の医療ドラマと違っていて、脚本の段階で読み応えのある面白い作品だなと感じました」。

 そんな、命への尊厳を強く感じさせる法医学教室において、アルバイトとして法医学助手を務め、空気の読めない発言で周囲を驚かせているのが、志田演じる医学部生・光子である。志田自身、これまでにないタイプの役柄を楽しんでいるよう。

 「ホントに空気が読めない(笑)。『え? ここでそれ言う?』ということばかりなんですけど、どこか憎めないんですよね。第2話で死因究明のためにフグをみんなで解剖するシーンがあったんですけど、よく見ると光子は何もしてない(笑)。腕まくりをしたかと思ったら、静かに袖を戻してたり、いちいち面白い。監督や共演者のみなさんが『すごいキャラだね』と言ってくださるので、私も楽しんで演じています」。

 今回の光子役だけでなく、これまで数々の役を演じてきた志田だが、女優20年という歳月について「物心ついて、気づいたらこの仕事をしていたので、全然ぴんとこない」と本音を明かす。

 世間で一気に認知されるようになったのは2005年のドラマ『女王の教室』。過激な物語、天海祐希演じる女教師に徹底的に責め立てられる描写は物議を醸した。翌2006年には『14才の母』に主演し、タイトル通り14歳で妊娠してしまうヒロインを演じ話題を呼んだ。だが本人は当時、そんな周りの喧騒(けんそう)を気にすることは全くなかったという。

 「当時は普通に学校に行って、塾や部活にも行っていたし、ごく普通に生活していたので、周りの声は気にならないというか、気にする以前に“何もない”状態でした。いま思うと、周りが気遣って何も言わなかったのかなと思います」。

 ただ、これらの作品に出演する中で、確実に演じることの面白さ、女優という仕事の魅力にとりつかれていった志田。「『女王の教室』が初めての(民放の)連ドラだったんですけど、ドラマってこんな大勢の人たちが、こんなに大変な中で作るんだ! って知りました。毎回、みんなと顔を合わせるのも楽しくて、自分なのに違う人間を演じるという感覚も小学生ながらに楽しくて…。その感覚はいまもずっと変わらないですね」。

 しかし、女優という仕事を「一生の仕事」として意識するようになったのは、実は高校を卒業するタイミングで「これまでは学校と両立してきたけど、大学に行かないと決めたことで変わった」という。

 ひとつの転機となったのが、『踊る大捜査線』シリーズの脚本家として知られ、志田とは映画『誰も守ってくれない』、『遺体 明日への十日間』で一緒に仕事をすることになった君塚良一の言葉。「ちょうど高校を卒業するタイミングで君塚さんに『学生という武器を捨てるんだから、いままで以上に真剣に取り組んでいきなさい』という言葉をいただいたんです。そこで気持ちがガラッと変わりました。そういう意味で、(20年の中で)覚悟を決めたのって、私の中では最近なんです」。

 大きな目標は持っていない。強いプロ意識を持ちつつ、彼女にとって女優であることは「もはや生活の一部」なのだ。だからこそ「ずっと続けていきたい」と志田はうなずく。「20年続けてこれたのも周りのおかげなので、恩返しをしていけたら。これまで、年相応の役を演じることが多かったので、これからも無理せず、年相応にやっていきます」。(取材・文:黒豆直樹 写真:松林満美)

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