東出昌大&仲野太賀、もがき苦しんだ“桐島”で築いた絆 7年ぶり共演で実感

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舞台『二度目の夏』東出昌大&仲野太賀インタビュー
『桐島、部活やめるってよ』以来7年ぶりの共演を果たす(左から)仲野太賀、東出昌大  クランクイン!

 東出昌大と、仲野太賀。岩松了が作・演出を手がける舞台『二度目の夏』に出演するこの2人の名前を見て、映画『桐島、部活やめるってよ』を思い出した人も多いのではないだろうか? 映画公開から7年を経て、満を持しての再共演。2人の中にはいろいろと、思うところがあるようだ。

 出演が決定した際のコメントで、“武者震い”という言葉を使っていた東出。

 「岩松さんの舞台を何度か拝見していて、そのセリフ量ですとか熱量ですとか、お客さんを不思議なモヤの中に置き去りにするような、そこが魅力なんですけど…。でも僕の中での岩松さんって“王道であり異端”なんですよ。そんな岩松さんと、演劇のシンボルである下北沢の本多劇場で芝居をすること。そこには『ついに来たか』という思いもありました。自分も30歳を超えて、芸歴も8~9年になってきて、時に人様は若手って言ってくださることもありますが、自分自身もふわふわしてられないぞ、と。なので『いよいよか』という意味での“武者震い”ですね」。

 一方、仲野は岩松作品への出演はこれで4作目となる。

 「僕、初めて出演した舞台が岩松作品なんです。『国民傘』という舞台で、それが僕の演劇の原体験という印象。それ以降、岩松さん以外の方とも舞台をやらせていただいたことはあるんですが、その度に心の中で『これは岩松さんはどんな風に思うんだろう』とか、どこかで岩松さんの視点を感じながらやっていて、そんな存在なんです。これまでの岩松作品にも毎回出るたび、もう今後ご一緒できないかもしれないという緊張感を持ちながらやっていて。今回オファーが来たとき、何かこう、今までの演劇の経験も全てつながってるな、と。そしてここでもう1回岩松さんとやれるっていうことは、僕の俳優人生にとってもとても大きなこと。高揚しました」。

 取材時、ちょっとした隙間時間にも互いの話や共通の知人の話をしては盛り上がっている2人。本当に仲が良さそうだ。実は『桐島~』を観た人はわかると思うが、この2人が演じた役柄に共演シーンはない。しかし、高校生たちの雰囲気を出すために合宿で行われたという撮影期間を経て、共演者たちには確固たる“絆”が生まれていったのだという。インタビューでお互いかしこまって話しているのも落ち着かないようで「なんか照れるね」と笑う東出。

 「僕にとって『桐島~』は、お芝居自体がすごい苦しくて何も楽しめなかったんですけど(笑)、あの作品で生まれた友情とか、人間関係があったから『役者になろう』って踏み込めた、そんな作品の1つ。あとは…20代前半の無為な日々をお互いよく過ごしてたからね」。

 そう言って当時の仲野のエピソードを語り、2人で爆笑する。今でこそ意外に思えるが、『桐島~』撮影当時は主演の神木隆之介以外、ほとんどの出演者は“無名の若手俳優”に近い存在だった。東出いわく「みんなが『どうにかなりたい』と思っていた」現場の中で、撮影にもがき、時にくだらない話で盛り上がり、作品を作り上げた日々。時にはレンタルショップに行って仲野が東出に映画を薦めたり、ということもあったという。

 「その頃僕もまだギリギリ10代で、東出さんは現場の皆のお兄ちゃんというか、みんなのまとめ役だったんですよね。今思えば東出さんも映画の現場は初めてだし、いろんな思いもある中で、僕らガキンチョたちを全て請け負ってくれていた、その器のデカさというのは当時から感じていて。撮影からはもう8年? こうやって仕事で対峙できるというのはうれしいし、興奮してます。東出さんには僕の8年間はどう映るんだろう、と」と語る仲野。

 その言葉に照れ笑いしつつも、「でも岩松さんの舞台を最初に観に行ったのも、太賀から『岩松さんの舞台に出るから観に来て』って言われたからだよ。自分は当時、演劇の作品とか全然知らなかったから」と東出。「え、そうだっけ!?」と返す仲野だが、そんな2人の積み重ねてきた時間が、この作品へとつながっているかと思うと面白い。

 「『桐島~』以降、あのときの共演者と一緒になることは度々あったんですけど、毎回特別。だから太賀と舞台、しかも岩松さんというのはすごくうれしいことだらけ。存分にやりたい」と意気込む東出。2人にとって特別な夏が、幕を開けそうだ。(取材・文:川口有紀 写真:高野広美)

 M&Oplaysプロデュース『二度目の夏』は、7月20日~8月12日まで東京・本多劇場にて公演。その後、福岡、広島、静岡、大阪、名古屋、神奈川にて公演。

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