『トイ・ストーリー4』監督、異色の新キャラ“フォーキー”に込めた真意

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『トイ・ストーリー4』ジョシュ・クーリー監督
『トイ・ストーリー4』ジョシュ・クーリー監督インタビューカット  クランクイン!

 ディズニー/ピクサーの大ヒットアニメシリーズ最新作『トイ・ストーリー4』のメガホンを取ったジョシュ・クーリー監督が来日を果たし、インタビューに応じた。もともとピクサー・アニメーション・スタジオのストーリー部門のインターンだった彼が、いかにして『トイ・ストーリー』シリーズの監督にまで上り詰めたのか。さらに、クーリー監督もリスペクトする日本人アニメーター、原島朋幸のすごさとは? 物語やキャラクターに込めた思いとともに、ピクサーの舞台裏に迫る。

 本作は、人間とおもちゃの物語をフルCGアニメで描き出す『トイ・ストーリー』シリーズ第4弾。おもちゃが大好きな女の子ボニーが、幼稚園の工作で作ったハンドメイドの人形をフォーキー(トニー・ヘイル/竜星涼)と名付け、宝物のようにかわいがっていた。ところが、「自分はゴミだ」と思い込んでいるフォーキーは部屋から逃亡。それを知ったカウボーイ人形のウッディ(トム・ハンクス/唐沢寿明)は、相棒のバズ・ライトイヤー(ティム・アレン/所ジョージ)やおもちゃの仲間たちと協力し、フォーキー大捜査を開始する。

 『Mr.インクレディブル』(2004)や『カーズ』(2006)、『カーズ2』(2011)など大ヒットアニメのストーリー・ボード・アーティスト(監督に代わって絵コンテのイラストを描くアーティスト)を務めていたクーリーが、今回、なぜ監督に抜てきされたのか。その経緯を聞くと、「やはりアカデミー賞脚本賞にノミネートされた『インサイド・ヘッド』(2015)の存在が大きかったね」と笑顔を見せる。「それまで短編作品をいくつか監督していたが、長編の監督オファーを受けたのは初めて。でもそれが、まさか『トイ・ストーリー』の新作だとは夢にも思わなかったよ!」と今でも信じられない様子。

 パート3で大学生になったアンディと別れ、幼稚園児ボニーの家にやってきたウッディ。仲間のおもちゃたちも回を追うごとに成長しているが、今回のキーワードは“移行期”だとクーリー監督は言う。「主人公のウッディは、ボニーの部屋に引っ越して、新しい生活が始まるわけだけれど、心や環境が変わる移行期はいろいろと大変。仲間のおもちゃたちも、それぞれ人生の変化に直面し葛藤するが、ウッディは、変わろうと思えば変われるし、新しい目的を持つことも可能な位置にいる。さて、彼はどんな決断を下すのか? そこがこの映画の大きなテーマになってくるんだ」。

 新キャラも多数登場するが、中でも先割れスプーンを使ったハンドメイドのフォーキーはひときわ異彩を放つ。「第1作目では、ウッディとライバル関係になるバズ・ライトイヤーが出てきたけれど、彼はテクノロジーの粋を集めたかっこいいおもちゃ。だから今回は、ゴミから生まれたアナログなおもちゃにして、コントラストをつけたかったんだ。それは、ウッディの心の成長にも起因する。最初は嫉妬深かったウッディが、本作では、弱きフォーキーに手を差し伸べ、『君にも価値があるんだよ』と励ましの言葉を投げかけたりするわけだからね」と真意を明かした。

 ちなみに本作には、『ファインディング・ドリー』(2016)や『カーズ/クロスロード』『リメンバー・ミー』(ともに2017)などを手掛けた日本人アニメーター、原島朋幸が参加している。原島はもともと『トイ・ストーリー』に憧れてピクサーに入ったと語っている。これに対してクーリー監督は、「僕もトモ(原島)の職人的な技術をリスペクトしているんだ。彼が作るショットはすごく目立つんだよ。例えば、ボニーが教室に入ってきて泣きじゃくるショットはトモが作っているんだけれど、本当にエモーショナルで、観ていて心を打たれるものがある」と称賛。

 さらにクーリー監督は、「ピクサーにはトモのように、『トイ・ストーリー』を観てアニメーターを志した人がたくさんいるんだ。今回は100名以上のアニメーターが参加しているけど、長年の夢を叶えた人、そしてパート1からずっと映画を支えてきたベテランがうまく融合して、本作を作り上げた。つまりこの作品は、観客はもとより、誰よりも『トイ・ストーリー』を愛するスタッフが、世代やキャリアの壁を超えて作りあげた夢の結晶なんだ」と胸を張った。(取材・文・写真:坂田正樹)

 映画『トイ・ストーリー4』は公開中。

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