ウィル・スミス、自身の自由を奪うのは“ウィル・スミス”というイメージ 葛藤を吐露

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ウィル・スミス、『アラジン』インタビュー
ウィル・スミス、『アラジン』インタビュー  クランクイン!

 ディズニーの名作アニメを実写映画化した『アラジン』でランプの魔人ジーニーを演じた俳優のウィル・スミスが、約1年半ぶり15回目の来日を果たし、合同インタビューに応じた。時おりジョークを交えながら撮影秘話を楽しそうに語るその一方で、ウィルは、常にスーパースター“ウィル・スミス”でいることへの葛藤も吐露。囚われの身であるジーニーに自身を重ね合わせながら、人生を自分らしく、そして自由に楽しむことの大切さを訴えた。

 本作は、世界中の人々に愛され続けるディズニーの同名アニメを、『シャーロック・ホームズ』シリーズなどのガイ・リッチー監督が実写映画化した冒険ファンタジー。清く美しい心を持つ貧しい青年アラジン(メナ・マスード)と自由に憧れる王女ジャスミン(ナオミ・スコット)の身分違いのロマンスや、魔人ジーニー(ウィル)が願いを叶える魔法のランプをめぐる冒険を壮大なスケールで活写する。

 ジーニーといえば、ディズニー作品の中でも最も人気の高いキャラクターの1つ。1992年のアニメ映画版で声優を務めた故ロビン・ウィリアムズ氏のイメージが強烈に残っているが、これに対してウィルは、「最初はすごくナーバスになったけれど、ロビンが演じたジーニーにオマージュを捧げること、そして自分なりに新しいジーニー像を作り上げること、この両方を成し遂げてみたい、という気持ちがだんだん芽生えた」と胸の内を明かす。

 ウィルの心を前向きにさせたのは、なんといっても音楽だ。ラッパーとしてもグラミー賞最優秀パフォーマンス賞を獲得するなど超一流のキャリアを積み重ねているだけに、「音楽を追求することが、新たなジーニーを創造する助けになる」と自身を鼓舞したという。「ジーニー役を引き受ける前に、プロデューサーとスタジオに行って、『フレンド・ライク・ミー』をちょっとやってみようということになって。試しにオールドスクール・ヒップホップのドラムを入れてみたら、予想以上にゴキゲンでね。最初に録音したものがそのまま劇中で使われていると思うけど、これなら行ける! と確信したんだ」と振り返る。

 “青すぎるウィル・スミス”で話題になった風貌も、マッチョなウィルらしさがフル回転。当然、青塗りした本人が演じていると思いきや、「実は、青いときのジーニーに関しては100% CGなんだ!」と衝撃告白。「みんな僕だと思っている人が多いようだけどね。おかげでものすごく自由度が高くて、セリフもアドリブで何度も録り直し、愉快で人間味あふれるジーニーを徹底的に作り上げることができたよ」とご満悦。ただし、ご安心を。人間に変身したジーニーは、もちろんCGではなくウィル本人。アラジンと共に繰り広げるド派手な冒険シーンやミュージカルシーンでは、“生身”のウィルがスクリーン狭しと弾けまくる。「なんてったって、千年もの間、ジーニーはランプの中に閉じ込められていたからね。それはもう外に出たら、ドレスアップしてパーティーを楽しみたいって思うよね。そんな気持ちが全身からあふれ出るような最高のシーンになったと思うよ」。

 囚われの身から“自由”を手にした解放感…ウィルは、そんなジーニーの立場と自身が置かれている現況を照らし合わせ、ちょっぴりため息をつく。「ジーニーは、主人に仕える身として金の腕輪で自由を奪われたけれど、僕にとっては、“ウィル・スミスでいること”が、時として自由を奪うことがある。常にスーパースターであり、成功者であり、主演作は全てNo.1ヒット…といったパブリックイメージが固定化し、時として本来の自分を抑えつけ、自由に振る舞えないようにしてしまうんだ。だから今は、そこからどうやって脱却するか、真剣に考えているところ。だって、人生で大切なのは、自分らしく自由に楽しむことだってジーニーが教えてくれたからね!」。

 ウィルは、ハリウッドスターの中でも突出して“いい人”だ。常にフランクで、ユーモアにあふれている。今回も、スマホで音源を聴かせてくれたり、ノリノリでフォトセッションに応じてくれたり、自ら距離を詰めてくれる神対応。それはもしかすると、ウィル・スミス=スーパースターという近寄り難いイメージを払拭し、「僕も君たちと同じさ、仲良くやろうぜ!」という意識の表れなのだろうか? いずれにせよ、ファンはもとより取材する記者さえも虜(とりこ)にするウィルの人柄は、作りものではなく、本物であることだけは、間違いない。(取材・文・写真:坂田正樹)

 映画『アラジン』は公開中。

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