玉森裕太、4年ぶり主演映画で感じた「壊れてしまうかも」という恐怖

映画
『パラレルワールド・ラブストーリー』場面写真
『パラレルワールド・ラブストーリー』に主演する玉森裕太 (C)2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会(C)東野圭吾/講談社

 Kis‐My‐Ft2としての活躍はもちろん、俳優としての活動も広げている玉森裕太。『レインツリーの国』以来約4年ぶりとなる主演映画『パラレルワールド・ラブストーリー』では、東野圭吾原作のミステリーで、2つの世界に翻弄される主人公に扮したが、1ヵ月半にわたった撮影期間中、「ずっとイライラしていた」という。

 目覚めるたびに変わる2つの世界の中で、何が真実なのか分からず追い詰められていく青年・崇史を演じる玉森。行き来するのは、大学時代から想いを寄せてきた麻由子(吉岡里帆)と自分が恋人同士の世界と、麻由子が親友・智彦(染谷将太)の恋人である世界だ。

 役が決まったとき、森義隆監督(『宇宙兄弟』『聖の青春』)から「役にすべてを捧げる覚悟で臨んでくれ」と言われた玉森。その際の心境を「もちろんそうした思いでしたが、でも具体的にはどういうことだろうと。『はい、わかりました』と言えばすぐに終わってしまうけれど、より深く考えたとき、どこまでどうするんだと。いろいろなハテナが出てきましたが、死ぬ気でやるしかないなと。これまでにない役ですし、全力でぶつかっていきました」と振り返る。

 不安やプレッシャーも感じていた。それは崇史を演じるということ以前に、2つの世界を行き来する、『パラレルワールド・ラブストーリー』という世界に入ることへのものだった。

 「この世界が、純粋に怖いと思ったんです。経験したことのない感覚と対峙しますし、崇史を演じた後、自分がどうなってしまうのか、壊れてしまうかもしれないという恐怖がありました」。

 そんな難しい作品で、監督はさらに、「まずは自分自身と向き合い、見つめ直してほしい」とリクエストした。玉森は「生い立ちから性格から、全部、箇条書きにしていきました。そのなかで崇史と、ここは似ている、ここは違う。違うところはなぜ違うんだろう。どういう生活を送ったら、それぞれにそうした違いが出るんだろうと。どんどん自分と崇史について深めていきました。考えれば考えるほど、自分って何なんだろうと迷宮入りしましたけど…」と苦笑しつつ、「すごくいい機会をいただけたと思っています」と感謝する。

 撮影期間中は、崇史と作品の世界に浸かり続けた。「つらかったです。崇史として。1ヵ月半の間、ずっとイライラしていました。親友との関係とか、麻由子への想いとか、いろんなことに追い詰められて、自分自身を見失いそうになるくらい、崇史と一緒にいました」。

 クランクアップ後は、「魂を吸い取られたようだった」といい、「今まで生きてきて、初めて味わった」感覚だったそう。「張りつめていたものが一気になくなって、なんにもやる気がなくなる」ほどだったが、「にぎやかなメンバーたちに囲まれて、ちょっとずつパワーをもらっていけたのかな」と、今は普段通りだと笑顔を見せた。そして「楽しかったです。自分の内面を初めて見つめられた。とても大きな経験でした」と言葉をかみしめるように語った。

 “自分を見つめ直した”ことで役へと没頭した本作は、大きな財産になったはず。真実を求めて苦悩していく崇史は、本編が進むにつれ、どんどんやつれていく。玉森は痩せるために何かしたわけではなく、「自然とやつれていった」という。「作品がそうさせたのでしょうか」と質問すると、「そういうこと言ってみたいですね」と照れ笑いを見せたが、実際、作品に深く染まった証と言えるだろう。(取材・文:望月ふみ)

 映画『パラレルワールド・ラブストーリー』は、5月31日公開。

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