瀬戸康史、連ドラ続きで“大忙し”も「全然苦じゃない」

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『デジタル・タトゥー』に出演する瀬戸康史
『デジタル・タトゥー』に出演する瀬戸康史  クランクイン!

 “デジタル・タトゥー”とは、インターネット上に書き込まれた誹謗(ひぼう)中傷などの“傷”を、タトゥー(刺青)に例えた言葉。この言葉がタイトルとなったドラマ『デジタル・タトゥー』で瀬戸康史が演じるのは、動画サイトで荒稼ぎする20代ユーチューバーだ。NHK連続テレビ小説『まんぷく』や、現在放送中の『パーフェクトワールド』で演じている好青年イメージからは、またガラリと違う役柄だが「役の振れ幅が大きい方が、観ている方も面白いですよね」と笑う。

 今作はインターネットに疎い50代の「ヤメ検弁護士」岩井堅太郎(高橋克実)が、ひょんなことから知り合った人気ユーチューバー、タイガ(瀬戸)とバディを組み、インターネット上に書き込まれて消せない中傷や、個人情報の拡散により苦しむ人たちを救い出す姿を描く。

 瀬戸が演じるタイガは、登場時はいかにも“今ドキの若者”という印象だ。しかし実は父親が政界の重鎮であり、岩井とも因縁がある人物。また、慕っていた兄の自殺という過去も大きく彼に影を落としており、内面に抱えているものが物語の展開とともに徐々に明かされていく。

 「タイガの発する言葉には、常に裏の意味があるんです。でもそれを隠そうとしてもまだ子どもの部分があるから、どうしてもにじみ出てしまう。そこはすごく切ないな、と僕自身は思っていて。人間の感情って、1つの面だけじゃなく、複雑なものが混じりあっていますよね。例えば悪意だとしても、そこに悲しみが入っていたりするかもしれないし、怒ることでリフレッシュをしている人もいるかもしれない。じゃあタイガの心はというと、今はめちゃくちゃなんですよ。でも強がったり、冷静ぶったり、大人ぶってしまう…そんな役です」。

 若さと、ユーチューバーとして成功者であるという自信と。短絡的に調子に乗る姿も見せつつ、内側には繊細な感情を抱えていることをにじませる。実は脚本のほとんどはキャストが決まってから書き上げられたらしく、ほぼ“あて書き”。瀬戸自身は記者会見で初めてこの事実を知らされ、驚いていた様子だった。

 「そうだったんだ! と思いましたね。でもそれでこういう役!? と(笑)。でも、ちょっとイラついていたり、攻撃的だったり、そういう一面も僕に感じてくれたんですかね」。

 そんな尖った部分も持つタイガというキャラクターだが、作品の撮影自体は、瀬戸にとってはかなり楽しいもののようだ。それは今回バディを組む、高橋克実の存在。実は意外にもこの2人、今回が初共演。2人がガッツリと演技を戦わせる場面も多いのだが、瀬戸いわく「克実さんとのシーンは大好きです! エチュードでもいいからずっとやっていたい」とのこと。

 「本当に“合う”んですよ。何なんですかね、すごく感覚的なものなんですけど…緊張感が決してないわけではないんです。でも、演じている自分自身はリラックスしているという。なかなかないですよ、こういう感覚は。僕自身も1年半に1本くらいは舞台をやるようにはしていますし、克実さんも演劇人ですから、演劇の感覚に近いのかもしれないですけどね。監督のこだわりで、シーンをあまり止めずに“通し”で撮ることが多いんです。だからそこも舞台っぽいのかな。でも本当に演じていてストレスがないので、『いいのかな』と思うくらい」と笑う。

 2018年は『海月姫』(フジテレビ系)からスタートし、ドラマ『透明なゆりかご』(NHK)、『まんぷく』と話題作への出演が立て続いた。そして今も出演ドラマが2作が同時に放送中。相当に忙しいはずだが…。

 「僕、“演じる”って発散だと思っていて。もちろんストレスが溜まるときもありますけど、基本的には役の言葉に乗せていろんなことを発散していると思うんです。だから演じることがとても楽しいし、自分の中にあった小さな悩みみたいなものも、一緒に吹っ飛んでいってるような感覚があるんですよね。だから、忙しくても全然苦じゃないんです」。

 演じることが楽しいのは、俳優を初めた頃からずっと。でもキャリアを重ねていく中で少し出てきた余裕が、より演じることへの楽しさへとつながっているという。特にここ6~7年は、自分の視野が広がってきていることを実感しているとか。

 「いろいろな人との関係性ができてきたから、というのもあるんでしょうね。この仕事が天職だな、って思いだしたのも6~7年前頃から。今回の克実さんみたいに、まだまだすてきな出会いもありますし。楽しいです、本当に」。

 演じることを心から楽しんでいるからこそ、役柄の魅力へとつながっているのだろう。今作では親子ほどの年の差の“バディ”で、生き生きと輝く彼を堪能したい。(取材・文:川口有紀 写真:高野広美)

 土曜ドラマ『デジタル・タトゥー』はNHK総合にて毎週土曜21時より放送中。全5回。

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