山崎賢人、役者として現場は“修行の場” 困難すら「生きているという感じがする」

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映画『キングダム』山崎賢人 201904
映画『キングダム』で主演を務める山崎賢人  クランクイン!

 「大好きな作品を、気持ちを込めてやれたので悔いはないです」。原泰久のベストセラー漫画を映画化した『キングダム』主演の山崎賢人は、インタビューの冒頭、こう言い切った。大きな瞳をのぞき込むと、曇りのない強い意志がくっきりと浮かび上がってくる。それもそのはず、2015年のインタビューで山崎は、演じた信と重なるような発言をすでにしており、答え合わせのような内容に本人も大興奮。運命に突き動かされ、必然の出会いとなった本作を、山崎とひも解いた。

 『キングダム』は紀元前245年、春秋戦国時代の中華・西方の国「秦」が舞台のエンターテインメント大作。天下の大将軍になることを夢見て、日々、剣術の鍛錬に励む信が、ともに育った漂(吉沢亮)と別の道を歩みながらも、やがて漂と瓜二つの王・エイ政(吉沢)と王座を奪還するために戦ってゆく物語。

 そもそも原作の大ファンだったという山崎は、「これまで、男気があるような役はなかなかなかったので、男としてすごいやりたい役でした。自分の中でも最高に格好いいと思う、信という人物が出来ました!」と、特別な感慨を胸に臨んだという。信になるための努力を惜しまず、戦災孤児という設定のため、食事制限をして体重を落とし、細い体に筋肉をつけて、見事な肉体美を劇中で披露した。

 さらに、縦横無尽に飛び回り、誰よりも高く飛ぶ信を体現するため、撮影の半年前からアクションと乗馬練習も欠かさなかった。数あるアクションシーンの中でも、ウエイヴマスター(零距離戦闘術)・坂口拓との死闘は固唾(かたず)を呑む仕上がり。山崎も、「めちゃめちゃ引き出していただきました。拓さんは本当に戦う人なので、“斬りかかってきていいよ”と言ってくださって、僕も全部狙いにいきました」と明かし、1分半もの長回しのシーンでは「手を決めないで拓さんに向かっていきました。一太刀入れたと思ったら、斬られないようにすぐ逃げて、って夢中で。あのシーンがあったから、本当に戦う緊張感を持てたと思っています」と、とめどなくあふれる言葉を紡いで、リアルな興奮を伝える。

 天下の大将軍になるという夢、そのための剣術の修行が信の軸だが、冒頭で示した通り、山崎は2015年『まれ』出演時のインタビューで、「(演じた)圭太と同じく大きな夢を持つことと、そのための地道な修業は、両方大事」と、まさに信の精神を宿したような発言をしており、山崎本人もその発言に対して「すごくないですか! 僕、いま鳥肌が立ちました! もうそれ、セリフですね!」と目をらんらんと輝かせる。当時は『キングダム』出演のオファーもきていない状態だったというが、めぐり合わせの運命を感じたかのように、山崎は4年という過ぎさりし月日と今を照らし合わせる。

 「この仕事をしているからには、いい芝居がしたいし“すごい役者になりたい”という感覚でずっとやってきました。そのためには今、目の前にあることを全力で頑張るしかなかったし、そんな中で『キングダム』に出会えたんです。これだけスケールの大きい作品をやれたこと自体が夢のようでしたし、このままずっとやりたいとさえ思っていました」。

 毎回、ジャンルが変わる映画の現場は、都度“修行”の場と言えるかもしれない。「単純にお芝居が好きなのもありますし、現場でみんなが作っている空間が好きなんです。僕にとっては、難しいことも楽しいんです。それこそ、修行かもしれないです。(役を)探している時間が“生きている”という感じがするから」と、最後は照れ臭そうに微笑んだ。

 4年前、「ひとつの作品にこつこつ全力で向き合うのが結果、将来、いい役者へつながっていけば」と希望を抱いていた青年は、紛うことなく、生粋の役者になっていた。(取材・文:赤山恭子 写真:菅慎一)

 映画『キングダム』は全国公開中。

※山崎賢人の「崎」は正しくは「立さき」

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