潜水艦映画にハズレなし!『ハンターキラー 潜航せよ』に備えて観たい鉄板作品

映画
『ハンターキラー 潜航せよ』
『ハンターキラー 潜航せよ』メインカット (C)2018 Hunter Killer Productions, Inc.

 “潜水艦”は非常に映画向きの題材である。深海というシチュエーションが生み出す緊張感、見えない敵との攻防戦、そこで繰り広げられる男たちのドラマ。それに核兵器や原子力などの要素もプラスされ、「潜水艦映画にハズレなし」という言葉もあるように、これまで多くの傑作を生み出してきた。そこで今回は、4月12日に公開される潜水艦映画『ハンターキラー 潜航せよ』に備え、これらの要素を備えた絶対に観ておきたい作品をピックアップ。

■『眼下の敵』(1957) 激しい戦いの末に生まれる男たちの友情

 第二次大戦中の大西洋を舞台に、アメリカ軍の駆逐艦とドイツ軍の潜水艦“Uボート”の戦いを描いた古典的名作が、『眼下の敵』だ。海軍全面協力のもと、実際の駆逐艦を使用した迫力の映像もさることながら、最大の見どころは、海上と海中で相対する男たちのヒリヒリするような頭脳戦。戦争という殺し合いの中、総力を駆使した一進一退の攻防は、さながらスポーツを観ているような感覚。息詰まる戦いの中、双方の艦長は次第に互いの力量に尊敬の念を抱くようになる。製作から60年以上経った今でも、決して色褪せない名作中の名作だ。


■『U・ボート』(1981) 狭く、息苦しく、逃げ場のない、潜水艦乗りの過酷さ

 ドイツ映画史上空前の製作費をかけて製作され、第二次大戦中のドイツ軍の潜水艦 “Uボート”の乗組員たちの過酷な任務を描いた傑作『U・ボート』。本作に派手なドンパチを描く戦闘シーンはない。描かれるのは、戦争における尋常ならざる緊張感と過酷さだ。任務を受けた乗組員たちは、ただでさえ狭すぎる艦内で、荒れる海を乗り越え、敵と交戦する。そして海上からの激しい攻撃にじっと耐えたかと思えば、損傷を受けた艦は海底で停止。精神も肉体も疲弊しきった彼らに、今度は船体圧壊の恐怖が襲いかかる。息苦しくなるほどの臨場感を、ぜひ味わっていただきたい。


■『レッド・オクトーバーを追え!』(1990) 冷戦が生んだ、最新鋭原子力潜水艦の脅威

 潜水艦の役割が大きく変化した冷戦時代を舞台にした傑作が『レッド・オクトーバーを追え!』だ。姿を消したソ連の最新鋭原子力潜水艦レッド・オクトーバーをめぐる、米ソ争奪戦を描いた本作。核兵器と原子力の登場により、潜水艦はいつでもどこからでも核ミサイルを発射できるという、世界の終わりを招きかねない危険な兵器として描かれるようになった。本作では、核兵器を積んだ“探知不能”の潜水艦がいかに世界にとって脅威であるかを描きつつ、さらにそれを扱う人間の資質の重要性もしっかりと描いていく。核戦争の恐怖、潜水艦、そして人間の資質という要素をうまく絡めた、冷戦が生んだ傑作と言えるだろう。

■『クリムゾン・タイド』(1995) 極限状態で対立する上司と部下

 同じく“原子力潜水艦による核戦争の脅威”を変わったアプローチで描いた作品が『クリムゾン・タイド』だ。ロシアで反乱が起き、アメリカと日本への核攻撃の危険が高まる中、アメリカの原子力潜水艦アラバマ号は、ロシアからの核攻撃に備えて出航する。事態が深刻化する中、ついにアラバマに対し「ロシアより先に核ミサイルを発射せよ」との命令が下るのだが、次の命令を受信する途中で敵の攻撃に遭い、アラバマは通信不能に陥ってしまう。発射は中止か続行か。その是非を巡って艦長と副艦長は激しく対立する。アメリカによる反乱の鎮圧や核攻撃の阻止を描くのではなく、アメリカ潜水艦内の混乱を描くことで核戦争の脅威を伝えるという脚本が非常に秀逸。艦長を演じるジーン・ハックマンと、副艦長のデンゼル・ワシントンの演技合戦は見ごたえたっぷりで、名優の演技と潜水艦という設定をうまく活用した傑作サスペンスに仕上がっている。


■『ハンターキラー 潜航せよ』(2018) 豪胆な艦長が挑んだ最大の賭け

 21世紀以降、潜水艦を題材にした映画は激減。潜水艦自体が機密情報の塊であるため情報がないこと、そして時代の流れで敵といえばテロリストが中心となり、映画の中で潜水艦が活躍する機会が減ってしまったことが大きな原因だろう。

 そんな中、満を持しての登場となったのが最新作『ハンターキラー 潜航せよ』だ。ロシア近海でアメリカの潜水艦が行方不明となる。その捜索に米原子力潜水艦ハンターキラー号が向かう中、ロシアでクーデターが発生。事態は核戦争の危機に発展していく。注目すべきは、海軍の全面協力を得て描かれる原子力潜水艦内部の描写だ。これは過去の名作でも実現しなかったことであり、それだけでも十分に観る価値がある。そして元潜水艦艦長が脚本に参加しているとあって、リアリティのあるサスペンスとアクションが展開。潜水艦だけでなく、ネイビーシールズの作戦も同時進行で行われ、それがキッチリと結実していく点はさすがだ。極めつけは、ジェラルド・バトラー演じる艦長が下す最後の決断。海軍の男たちの肝の座った決断力に驚くこと間違いなしなので、ぜひ劇場でその豪胆さを味わってほしい。(文:稲生稔)

 映画『ハンターキラー 潜航せよ』は4月12日より全国公開。

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