水田わさび、ドラえもんとの14年 年を重ねて気付いた責任の大きさ

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『映画ドラえもん のび太の月面探査記』水田わさびインタビューカット
『映画ドラえもん のび太の月面探査記』水田わさびインタビューカット  クランクイン!

 国民的アニメの映画シリーズ最新作『映画ドラえもん のび太の月面探査記』が3月1日から公開される。ドラえもんの大ファンという直木賞作家・辻村深月が脚本を担当。声を演じる水田わさびは、辻村が描く本作を「(原作者の)藤子・F・不二雄先生の要素が全て分かりやすく組み込まれている」と太鼓判を押す。水田に本作の魅力、そして声を担当して14年目を迎えたドラえもんへの思いを語ってもらった。

 月を舞台に、ドラえもんやのび太らが謎の転校生ルカや、エスパルという不思議な力を持つ子どもたちと出会い、冒険を繰り広げる本作。もともと辻村の小説を愛読していたという水田は、脚本を読んだときに「ゲストキャラの登場の仕方が新鮮だった」という。「通常だとのび太くんの部屋に何かの拍子でやってくることが多いんですが、今回はルカが転校生として学校にやってくる。辻村先生の作品は学校ものが多いので、“辻村あるある”を感じた部分です」と語る。

 そんな辻村の脚本について、水田が一番強く感じたというのが「藤子先生の『映画ドラえもん』だ」ということ。「藤子先生の要素がかなり多いんです。藤子先生の作品には絶対うそのない科学の説明があるのですが、それがちゃんとあります。そして、冒険での出会い、挫折から結束し、仲間を意識して、助けて戦って、そして別れがある。藤子先生の『映画ドラえもん』の要素が、全て分かりやすく組み込まれています」と絶賛する。

 そんな脚本を八鍬新之介監督が映像化。38歳の八鍬監督も『ドラえもん』を子どもの頃から見てきた。水田は「『映画ドラえもん』って、親子3世代が安心して見られるもので、安心の中にも“ワクワクしたアドベンチャー要素”が詰まってるんです。監督もそういった意図を汲んで演出されています」と熱弁する。

 作品によっては斬新な試みもある『映画ドラえもん』。水田は「それもそれで好き」としながら、「今回の“ザ・藤子ワールド”が大好きです。小説好きな私から見ると、今作は“本を読んでる感覚と似てる”と思いました。毎年見てらっしゃる方はもちろんですけど、ご無沙汰している子どもの頃にドラえもんを見ていた大人の方にこそ見てほしい作品」 と胸を張る。

 2005年に大山のぶ代からドラえもんの声を引き継いだ水田。すでに14年以上の歳月が経ち、26年務めていた大山の折り返し地点を超えた。引き継いだ当時のことを聞くと「最初は何もかも分からなさすぎて逆にプレッシャーがなかった」と意外な答えが。「『ドラえもん』って風邪を引いても休めない。年を重ねるごとに、責任の大きさに気付いてきて、今はプレッシャーがすごくて。インフルエンザの予防接種を受けたことがなかったんですけど、ここ十数年は受けてます」と笑う。

 そんな水田にとって、ずばりドラえもんとは? 「ライフワークだと思ってやっています。正直ご先祖様や実家には悪いですけど、私にとって『映画ドラえもん』はお盆、正月より大きいことで、1年の中で中心ですね」と笑顔を見せる。

 劇中では「想像力は未来だ」というドラえもんとのび太のセリフがある。「想像が無理なら妄想でもいいし、ツライことがあったらいいことを妄想することで、いい未来につながるのでは」という水田。次世代のクリエイター陣がつなぐ藤子・F・不二雄の意思が詰まった『映画ドラえもん』は、大人になった私たちが忘れがちな大事なものを思い起こさせてくれる作品なのかもしれない。(取材・文・写真:高山美穂)

 『映画ドラえもん のび太の月面探査記』は3月1日より全国公開。

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