『3年A組』永野芽郁が女子高生役で見せる“エモさ”と“リアリティ”

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『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』メインビジュアル
『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』メインビジュアル (C)NTV

 2018年にNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で主演を務め、人気女優の仲間入りを果たした永野芽郁。朝ドラヒロインという大役を終えた彼女は、現在放送中のドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系/毎週日曜22時30分)で、担任教師から人質に取られた女子高生という異色のヒロインを演じている。永野の演じるヒロイン像を“エモさ”と“リアリティ”から読み解きたい。

 本作で彼女が演じるのは、私立魁皇高校3年A組で学級委員を務める茅野さくら。自己主張もせず淡々と雑務をこなす様子から、影で“奴隷”と呼ばれているキャラクターだ。そんなさくらは、クラスメートで水泳部のエースでもある景山澪奈(上白石萌歌)に憧れを抱いていたことから仲良くなるものの、程なく澪奈は自殺。卒業を前にしたさくらは、ほかのクラスメートと共に、教室で担任の柊一颯(菅田将暉)から人質に取られ、澪奈の死にまつわる、さまざまな謎を解明するよう迫られる…。

 第1話のクライマックスは、柊から澪奈の自殺について問われたさくらが、その理由を語るシーンが描かれる。さくらは、クラスでイジメの標的にされていた澪奈を守ることができなかった後悔を、静かなトーンで打ち明けるものの、クラスメートからは口々に「あいつは死んで当然だった」という言葉が返ってくる。大切な友人を侮辱され、怒りに震えるさくらの目には、みるみるうちに涙が。やがて涙があふれ頬をつたうと、彼女は「アンタたちに何がわかるの!?」と絶叫し、不良生徒に強烈な膝蹴りをお見舞いする。クラスで“奴隷”と呼ばれていたさくらの心身の動きを、文字通り“エモーショナル”に演じたこのシーンは、演じる永野の独壇場だった。

 また第1話の回想シーンで、さくらが澪奈への憧れの気持ちを本人に伝えるシーンで「澪奈サマのくびれが尋常じゃない色気を醸し出していてしかもそこに水泳界のスターという肩書きが加わるとそれは神々しいくらいに尊いというか…」などの褒め言葉を、淀みなく早口でたたみ掛ける演技は絶妙な“オタク感”を体現。さらにさくらは澪奈を評して「そうだ…エモいんだ…澪奈サマはエモいんです!」と力説。若者言葉として定着した“エモい”という語を衒(てら)いなく使う芝居に、女子高生のリアルなたたずまいが表現されており、現在10代の永野が等身大で役になりきっていることが伝わってくる。

 エモさとリアリティで、物語を引っ張るヒロイン像を打ち出した永野。彼女の熱演を見れば、本作が新たな代表作となることは間違いないだろう。(文:スズキヒロシ)

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