杉咲花&橋本環奈が挑んだ同世代との演技合戦 互いの存在感に刺激

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(左から)橋本環奈&杉咲花、『十二人の死にたい子どもたち』インタビュー
(左から)橋本環奈&杉咲花、『十二人の死にたい子どもたち』インタビュー  クランクイン!

 出演作が途切れることがない注目の若手女優・杉咲花と橋本環奈。そんな彼女たちが初共演を果たしたのが映画『十二人の死にたい子どもたち』だ。“集団安楽死”という目的のもと集った若者たちの心の奥底に蠢(うごめ)く闇を、閉ざされた空間で昇華させるという、非常に難易度の高いテーマに挑んだ杉咲と橋本が、作品へ臨むうえでの覚悟や互いの印象などを語った。

 杉咲演じるアンリは、全身黒い服で腕組みをし、常に怒りを身にまとった非常にエキセントリックな女の子。これまで杉咲が演じてきた役柄とは趣が違うが、本人も台本や原作を読んだとき「共感できる人物ではない」と思ったという。それでも「純粋な思いが強いからこそ、周囲からみたら屈折しているように映るのかもしれないと考えると、とても興味深い人物だと思った」と役への探求心は強かったことを明かす。

 一方、橋本演じるリョウコは、マスクに帽子とほぼ素顔を見せない。それは彼女の正体が人気女優だからなのだが、自らを“大人たちに作られた虚像”と嘆く女の子だ。橋本は「私は大人に利用されていると思ったことがないので、自分と共通する部分はほとんどない」と語るが、女優という同じ職業に携わっているからこそ、芸名でいるときの自分と、素の自分との違いを「伝わらないぐらい繊細」なさじ加減で演技分けることにチャレンジしたという。

 本作では、ワンシーンを多重カメラで一気に撮るという撮影方法が多用された。ノンストップで40分に渡る長回しもあったというが、杉咲は「同じシーンを何回も繰り返すと、慣れてしまい新鮮味や集中力を欠いてしまう危険性があるので、私的には今回の撮影方法はすごくやりやすかった。とても心地いい時間でした」と撮影を振り返ると、橋本も「あの撮影はすごかった。同世代の目に見えないエネルギーがビシビシと伝わってきて、受け身でいるとついていけない緊張感もありました。そういった空気はちゃんとスクリーンに映し出されていると思います」と自信をのぞかせていた。

 12人の若手俳優たちの演技バトルも、本作の魅力の一つ。杉咲は、ミツエ演じる古川琴音と橋本が対峙するシーンが印象に残っているというと「ミツエとのテイクに時間がかかったとき、環奈ちゃんがミツエに対してのお芝居がどんどん強くなって膨らんでいったのをみて『絶対いいシーンにしたい』という思いが伝わってきました。こんな風に向き合ってくれる相手がいたら心強いだろうなと思った」と橋本の芝居に対する姿勢を絶賛。このシーンを経て“もっと頑張っていこう”という空気感が出来上がったと証言した。

 杉咲の言葉に橋本は、杉咲が演じたアンリという人物について「意思が強くて、一瞬でみんなを静まり返らせる激しさと、たしなめるような静かさも持っている非常に難しい役」ととらえていたという。そんななか、新田真剣佑演じるシンジロウと対峙するシーンの杉咲の圧倒的な演技に「感動すら覚えた」と脱帽していた。

 杉咲は年末年始、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しスペシャル! 絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時!』や『芸能人格付けチェック2019』などのバラエティ番組で非常にコミカルな一面を見せ、大きな話題になった。「すごく楽しかった」と収録を振り返ると「いままでは、自分のなかで“こういう作品だけでいい”という決めつけがどこかにあったのですが、バラエティでのコミカルさ、映画やドラマでもコメディやラブストーリーなどにも挑戦させていただき、自分でも予想できない自分との出会いがありました。いまは“自分はこうなんだ”と決めつけず、まずは一回挑戦してみようという気持ちで取り組んでいます」と目を輝かせる。

 一方の橋本も、ここ最近コミカルな役柄で大きな注目を集めたが「リョウコはあまり笑わなかった役どころ」と、また新たな感情表現にチャレンジしたことを明かし「一つ一つの出会いを大切に進んでいきたい」と丁寧に物事に取り組むことを誓っていた。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)

 映画『十二人の死にたい子どもたち』は全国公開中。

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