上村海成、『半分、青い。』草太役で得た“俳優としての成長”

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上村海成『命売ります』インタビュー
上村海成、舞台『命売ります』インタビューフォト  クランクイン!

 NHK連続テレビ小説『半分、青い。』で主人公の弟・草太役を演じ、一躍お茶の間でもおなじみの顔となった俳優・上村海成。彼がこの冬出演するのが、三島由紀夫の小説『命売ります』の舞台化作品だ。注目度が高まる中、満を持してのストレートプレイ出演。作品の面白さもあいまって、本人の意気込みは強い。

 「パルコプロデュースの舞台と聞いて『やばい! 信じられない!』と思いました。声をかけていただけるなんて予想だにしてなかったので。朝ドラすごい! と(笑)」。

 2010年から雑誌モデルとして活動してきた上村は、現在21歳。ドラマや映画、舞台なども経験しており、今年は朝ドラ出演という大きな仕事も掴んだ。プロフィールを見れば一見順調にキャリアを積んできたように見えるが、実は今俳優の道を歩んでいるのは“想定外”だったのだという。

 「高校生の時は『将来のことを考えたら、この仕事は辞めないといけないのかな』と思っていました。お芝居のオーディションもなかなか受からないし、スタイルもあまり良くないからモデルとしては無理。そんな時、同じ雑誌で活動している他のモデルの子たちに大きな仕事が決まったのに、僕だけ何も決まらなくて。これはもう向いてないんじゃないか、と」。

 なので「高校卒業後は普通に大学に進学して、卒業後は就職するつもりだった」という上村。ところが最後のつもりで受けたミュージカル『テニスの王子様』のオーディションに合格、若手俳優の登竜門と言われる“テニミュ”に出演することになる。出演者たちにも、実際のテニス部さながらのハードな稽古を課すことで知られているテニミュ。その体験は、上村にとって大きな衝撃だったようだ。

 「それまではモデルやドラマのお仕事も、“汗をかかない”感じのスマートなお仕事(笑)が多くて。でもテニミュはまるで違った。僕、学生時代の合唱コンクールや体育祭とかが苦手で、あまり頑張らなかったタイプなんですけど、テニミュに出たことで、“頑張る”って思ったより悪いものじゃないな、と初めて気づいたんです」。

 必死に舞台に立つ中、ある日ふいに本番を控えた楽屋で「俳優をやっていきたい! と思った」という。そうして俳優として活動を続けていくことを決意、その後オーディションで『半分、青い。』の草太役を掴むことに。

 この朝ドラ出演も、彼にとってまたさらなる転機を与えたようだ。そうそうたる俳優陣がそろう楡野家の中で演技を行うのは、やはり最初はかなりのプレッシャーだったよう。

 「やっぱり、“飲まれ”ましたね。勝手に自分で萎縮しちゃったというか。撮影が終わったのが8月だったんですけど、ようやく慣れてきたなと思えたのが6月くらいで……。でも終わってから今実感するのは、ちょっと自信がついたのかな、と。自分では食らいついていくことができなかったな、と後悔していたんですけど、今お仕事をしていて『あれ、こんなにやりやすかったっけ?』と思うことも多くて。気づかないうちに、自分も成長していたのかなと思います」。

 “俳優としての成長”を実感、そんなタイミングで挑む『命売ります』。ユーモアと風刺がたっぷり詰め込まれたこの作品は近年その面白さが再注目され、しかも今回が初の舞台化。上村は母親のために主人公・羽仁男(東啓介)の命を買おうとする高校生・薫を演じる。

 「最近朝ドラをはじめ、真面目な作品・役柄が多かったんです。でも今までと違うテイストだし、作品自体も読んでみてすごく面白かったんです。三島由紀夫って名前聞くと、読書感想文とか書かなくちゃいけないというようなイメージがあるのですが、でもいざ読んでみたら、すごく面白いんですよ! いい作品に巡り会えたな、と思ってます」。

 上村が思う“舞台の面白さ”がありそうな作品というのも、期待値を上げる理由のひとつ。

 「舞台って『テレビじゃ到底そんなことやらないでしょ』っていう演出があるじゃないですか。だからすごいなと思うんです。やれることは限られているのに、なんでもありな気がする。だから楽しいな、と思うんですよね」。

 芸能界への苦節から、俳優の道へ。その決意が彼の目まぐるしい成長を支えているのだろう。“伸びしろ”の時期に参加する舞台作品、彼の新たな変化も目の当たりにすることができそうだ。(取材・文・写真:川口有紀)

 舞台『命売ります』は、11月24日~12月9日まで東京・サンシャイン劇場で、12月22日大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。

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