『獣になれない私たち』賛否あり 新垣結衣の“愛される力”ゆえの反響?

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【作品以外NG】※レタッチ済 『獣になれない私たち』トークイベント&完成披露試写会 20181007
『獣になれない私たち』トークイベント&完成披露試写会に登場した新垣結衣  クランクイン!

 ヒロイン・新垣結衣、脚本・野木亜紀子の“逃げ恥”コンビで注目のラブストーリー『獣になれない私たち』(日本テレビ系/毎週水曜22時)が10日スタートしたが、徹底的にリアルにこだわったという完成度の高さが評判を呼んでいる。脚本の面白さはもとより、11年ぶりの共演となるダブル主演の新垣と松田龍平をはじめとする各キャストの演技が秀逸で、ネットの反応も賛否はあれど初回から感情移入する視聴者が続出しているようだ。

 新垣の役どころは、パワハラが常態化しているコワモテのワンマン社長(山内圭哉)が率いる制作会社の中堅社員・深海晶(しんかいあきら)。連日のように社長から叱責され、実力不足の後輩からはいいように頼られ、そんな中で周囲に気を使いながら息も絶え絶えに理想の女を演じながら生きている。初回後半には、取引先の部長から謝罪を要求されて土下座するも、頭をなでられるという屈辱的なシーンもあった。

 一方、松田演じる根元恒星は、人当たりの良いエリート会計士だが、すべてにおいて斜めに構え、クールに生きている。冷めた目で見ている。ともに本音を隠し続け、思いのままに生きられないという共通点を持つ2人が出会う。

■晶(新垣)の過酷な毎日に感情移入してしまう

 新垣演じる晶にしても、松田演じる根元にしても、「あの人でなければ演じられない」感を抱くほど役に入っている。単純に技術的な意味での演技力という言葉では片付けられないだろう。カメレオンのように役によって別人に見える俳優をカメレオン俳優と呼び、「演技が上手い役者」と判断することは多いが、新垣と松田はこのタイプではなく、むしろ何を演じても新垣は新垣で松田は松田でありながら、それぞれの役の人物でもある。

 カメレオン俳優ではなく、カメレオン演技と言い換えてもいいかもしれない。特に新垣には、観る者に愛される力、好かれる力がある。それだけに、観る側もめいっぱい感情移入し、あまりにも過酷な毎日を過ごす晶に自分を重ねてしまい、「ガッキーの演技が素晴らしい」という好意的感想がある一方で、「辛すぎる」「見ていて痛々しい」と、リアルなつらさや不快感を抱いてしまう人もいるようだ。この辺りが意外とドラマの好みを分けてしまうかもしれない。

 いい演技とは何か、なんてことを考えても結局は観る側の好き嫌いだったりするわけだが、少なくとも新垣、松田のように、観る側の心を揺り動かすことのできる役者はいい役者であると言って間違いはないだろう。

■田中圭、黒木華との行方も気になるところ

 晶の婚約者・花井京谷役の田中圭も、晶と交際して4年になりながらいまだ元カノと同居しているワケありな役を演じているが、いったい今後どう解決するつもりなのか、面白そうだ。

 その、一向に出ていこうとしない元カノ・長門朱里を演じているのは黒木華。初回の登場シーンは少なかったものの、部屋は散らかし放題で、京谷から何を言われようがテレビゲームに興じているだらしない役どころが強い印象を残した。晶とは敵対関係にあるわけだが、具体的な2人のバトルも今後あり得るのだろうか?

 京谷の母親・千春役の田中美佐子もさすがベテラン、盤石な芝居で千春の人物像が伝わり、安心して見ていられる。また、最近まで根元と付き合っていたとみられるブランドデザイナー・橘呉羽を菊地凛子が演じているが、野性味ある情熱系のとんがった役どころにピッタリはまっている。

 そしてこのドラマ、夜の街角のシーンや行きつけのバーのシーンなど、光や色をやさしく生かした映像が、どことなくやさしい。個性豊かな人々が繰り広げる人間ドラマを、やさしい気持ちで包み込んでいるようにも感じられる。(文:志和浩司)

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