酒井若菜、文章を書くことは「欠落を補う絆創膏」女優業との両立を目指す

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酒井若菜に著書『酒井若菜と8人の男たち』でインタビュー
酒井若菜に著書『酒井若菜と8人の男たち』でインタビュー  クランクイン!

 女優・酒井若菜の長文ブログが人気を呼んでいる。昔から書くことが大好きだったという彼女は、言葉を美しく紡いでいるが、その内容は決してきれいごとではなく、自分の気持ちに限りなく正直だ。『酒井若菜と8人の男たち』(キノブックスより発売中)は、そんな彼女が愛してやまない“宝物”たちへの思いがギッシリ詰まった対談&エッセイ集。意味深なタイトルと分厚く重い本書の中を、酒井と共に旅した。

 当初、「自分が先に死んだら」という逆弔辞として本書を作り始めたという酒井は、親交の深い8人の男たち、板尾創路、水道橋博士、ナインティナイン・岡村隆史、ユースケ・サンタマリア、バナナマン・日村勇紀、マギー、サンボマスター・山口隆、佐藤隆太に声を掛け、対談を通してそれぞれに募る思いを語り合ったと述懐する。

 確かに本書の中で、一部メディアがクローズアップした持病の膠原(こうげん)病について言及している部分もあるが、それが対談企画の起因になっているわけではない。あくまでも酒井自身がもともと持っていた死生観によるもので、最年少である自分が「いつか一人ぼっちになってしまう」という恐怖心、「私よりも1日でも長く生きていてほしい」という願いが、純粋に酒井の背中を押したのだ。

 それにしても、本書における酒井の「聞く力」には驚かされる。まるでカメレオンのように、相手の色彩に合わせ、内に秘めた思いを引き出しながら、酒井自身もその思いに対して真摯に応える。「もしかすると、女優が本業だからかもしれません。いつも主役の方に合わせるお芝居をしているので、そのクセが功を奏したというか、相手の世界観に自然と合わせているのかも」と分析。

 対談の共通質問として、「好きなタイプの女性」「30年後の夢」、そして対談相手を「○○な男」で締めくくるという流れがある。ところがこの質問が、8人の新たな一面を導き出すことに。「この8人とは、滅多に女性や恋愛の話をしないので照れくさかった。顔がだんだん“男”になっていくというか。私には普段見せない顔だから。一応私も女なんですけどね」と苦笑い。

 また、8人8様、肩の力が抜けた酒井の語り口が印象的だが、プライベートでは、意外にも岡村が最もリラックスできる相手だという。「役者をバカにしないでください」「芸人なめんなよ」のやりとりを最後に、6年間疎遠だった2人が、岡村の戦線離脱をキッカケに再び心のシャッターが開かれ、酒井は無償のサポートを買って出る。このくだりは対談で赤裸々に語られているが、「大喧嘩したことから、お互いにカッコつけず、弱みをさらし合っている、そこが大きいのかな。今では何でも話し合える仲」と力を込めた。

 「私にとって文章は、自分の中で欠落している部分を補う絆創膏のようなもの。書くことによってバランスを取っているのだと思う」と語る酒井。「私の育ての親であるテリー(伊藤)さんが、“若菜は女優をやってる時が一番眩しい”と言ってくれた」と嬉しそうに語るその一方で、短編小説にも意欲を見せ、女優業との両立を目指すと瞳を輝かせる。「執筆活動との相乗効果で女優業が伸びていってくれれば」。新作の構想もすでにあるという酒井のこれからの飛躍、あるいは変貌に注目したい。(取材・文・写真:坂田正樹)

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